さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

人生で「1日だけ戻れる日」があるとしたら。選ぶのは「青春の集大成」だった高校オーケストラ部の定期演奏会ステージ本番の日

入学・進学・就職・結婚・出産・転勤・昇進・転職・引退…

生きていれば、いくつも訪れる「人生の節目」。

 

誰にでも、

「人生で最も輝いていた日」

「人生で1日だけでも戻ってみたい日」

が必ずどこかにあったはずです。

そんな瞬間を、自らの過去から探ってみました。

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もちろん、「学校に合格した日」「結婚した日」「子供が生まれた日」など、喜ばしい幸せな日はたくさんありました。

 

「仕事」を生きがいにする人ならば、「うまく仕事が出来た日」「昇進した日」「社長になった日」などが挙がるのだろうと思います。

しかし、「仕事は仕事」。

「達成感」「充実感」という言葉で表現することは出来ても、「楽しい思い出」とは中身が違うように感じるのです。

仕事がらみで印象的な日は、残念ながらここには入ってきません。

 

そんな中で頭に思い浮かぶのは、やはり音楽関係の活動。

特に、

「ステージに立った」日の思い出が、映像とともに鮮やかに蘇ってきます。

まさに「晴れ舞台」です。

 

これまで大小さまざまなステージ出場経験について、記事で触れてきました。

 

オーケストラの一員としての一番大規模なステージは、テレビ中継もされたNHKホール。

saewataru.hatenablog.com

北海道への演奏旅行でのステージもありました。

saewataru.hatenablog.com

勤務先での「ミニコンサート」の様子も、先日お伝えしました。

saewataru.hatenablog.com

 

一方、歌手のソロ活動としても、数々の忘れられないステージを経験してきました。

saewataru.hatenablog.com

saewataru.hatenablog.com

 

しかし、それらのどれよりも思い出深いのは、

高校3年間活動してきたオーケストラ部のステージです

 

3月にFacebookで「今日が記念日」と投稿したら、「よく日付まではっきり覚えているね!」と旧友たちに驚かれました。

それだけ、個人的な思い入れが強かったのかもしれません。

 

部活では、毎年3月下旬に1年間の練習の成果を発表する定期演奏会」という名のコンサートを開催していました。

 

プロのオーケストラが行うのと同じような曲を取り上げます。

コンサート時間も、プロ並みの2時間超。

しかも、毎年都内の本格的なホールを借り切って行います。

ちなみに、私が3年生の時の会場は都内の「メルパルクホール」でした。

 

メインの演目は、

1年生の時はブラームス交響曲第4番。

2年生の時はベートーヴェン交響曲第5番「運命」、シューベルト「未完成交響曲」。

3年生の時はチャイコフスキー交響曲第5番。

クラシックに少しでも詳しい方なら、プログラムとしてはかなり立派な内容であることがおわかりいただけるかと思います。

 

しょせん高校生の演奏ですから、ハタから見れば無謀なチャレンジ。

現在もその時の音源を大切に保管して、時々振り返って聴くことがありますが、演奏テクニックも確かに稚拙です。

 

でも、本人たちからしてみれば

「この日のために1年間頑張って来た」

「晴れの本番」

感が満載なわけです。

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ふだんの活動は…。

毎週3回、授業終わりに教室に集まっての練習。

火曜・木曜は3時間ほど、土曜日は昼イチから夜7時過ぎまで、5~6時間やっていました。

夏休み・春休みには1週間の「強化合宿」も行います。

神奈川県・三浦半島の先、城ヶ島にあったユースホステルを借り切って、準備を行っていました。

saewataru.hatenablog.com

自由時間はほとんどなしの、ガチ練習!

スケジュールだけ見れば、完全に「体育会」的ノリです。

 

3年生の時はコンサートマスター(指揮者のすぐ前にいるヴァイオリン奏者)にもなって、80人以上いた団員のまとめ役もこなしながら活動しました。

定期演奏会」は毎年行うので、在学中3回ステージに立ったわけですが、これで卒業となる3年生、最後の演奏会の重みはまた格別です。

 

全員が気持ちをひとつにして行う演奏会本番の日は、(いささかクサい表現ながら)青春の集大成とも言えるものでした。

終了後には、人目もはばからず感涙にむせびました。

卒業式でも泣かなかったのに…

 

演奏会のステージですから、「勝った負けた」の世界ではありません。

ハタから見れば、つまらない自己満足かもしれません。

しかし、本人たちはみな「戦いを終えた甲子園児」のような心境になります。

 

「振り返りたいハッピーデー」はほかにもあるけれど、

「何百日もの活動が1日に凝縮された」という意味において、かけがえのないステージ体験。

今後、あれ以上の感動的な日に出会うことはないと思います。