北海道大演奏旅行記その2
その前の年、高3の修学旅行も北海道6泊7日の旅だったため、北海道へは期せずして2年連続の訪問となりました。
当時まだ健在だった「上野発の夜行列車」に乗り、「連絡船」で函館へ。
これから始まるさまざまなことを思うと、寝る時間さえもったいない感じで、号車が貸し切りだったのをいいことに、ずっと周囲とおしゃべりに花を咲かせていた記憶があります。
なにせオーケストラですので、総勢80名超の大所帯の移動になります。
「仕事道具」である楽器も大きな荷物で、バイオリンはまだラクですが、コントラバスやティンパニなど、運ぶのにけっこう労力が要るものも少なくありません。
いま思えば、会場の運営や途中の交通機関・宿泊の手配等、周りの方々の準備は相当大変だっただろうと思うのですが、当事者はそんなことはつゆ知らず、長時間の列車の旅を満喫しながら、完全な旅行気分に浸っていました。
小樽・旭川・函館の各地で開かれた演奏会。
収容人数1000人クラスのステージはそれぞれ感動と興奮に包まれ、同窓会的雰囲気のこもった温かい拍手に、なんとも言えない高揚感を味わったのを覚えています。
さらにこの時にはコンサート終了後、行く先行く先で地元の主催者(大学OBたち)の熱烈歓迎イベントがあったりして、その大学出身者でないエキストラの自分も大いに持ち上げられた気分で、覚えたての校歌を一緒に歌ったりして、今までのステージにない経験も出来ました。
そう言えば、普通コンサートはホール、つまり屋内で行うのが通常ですが、旭川ではデパート前の広場で演奏するという前代未聞の出来事もありました。
いま振り返ると、あれはコンサートではなくお店の「客寄せイベント」だったのか、と。
それでも、遠い北の大地ではなにもかもが楽しい出来事でありました。
(つづく)