【懐かしい歌No.31】「雨のバラード」湯原昌幸(1971)
2020年になりました。
今年もよろしくお願いします。
引き続き、何十年前にもクオリティーの高い(楽曲の作り、歌い手双方)歌があったことをお伝えするため、自分なりに過去の名曲を取り上げていきたいと思います。
元日にご紹介するのは、もはや半世紀近く前になる1971年発売の
湯原昌幸「雨のバラード」。
前年の1970年にデビュー。
2枚目のシングルとして出したこの曲が、オリコン1位となる大ヒットを果たしました。
この曲に限らず、当時のヒット曲は、とにかく構成がシンプルなのが特徴。
Aメロ、Aメロ、Bメロ、Aメロ…でワンコーラスが形成されている。
パターンがAとBしかない曲が非常に多いです。
冒頭Aメロがサビそのものです。
かつ、それぞれのメロディーもシンプルで覚えやすい。
大ヒットと言いながら、大昔の歌ですのでご存知ない方がほとんどかもしれませんが、初めて聴いても冒頭のAメロ
「タ~タタ タ~タタ タ~タタ ターター」
の繰り返しで、すぐにメロディーが覚えられてしまうのではないでしょうか?
以前取り上げた「ラヴ・イズ・オーヴァー」も、まさにこれと同じ。
冒頭からいちばん「オイシイ」メロディーが登場する、A-A-B-Aのパターンでした。
2番が途中のBメロから始まる「ワンハーフ」であることも共通しています。
すぐ耳に残る。
演奏時間も短い。
そのシンプルさこそが魅力ではないかと感じています。
2019年にセールス実績を挙げた曲を、改めてレビューしてみました。
偏見なく聴くと、どの曲もそのクオリティーの高さに驚きます。
メロディーラインも、リズム・ハーモニーも、さらに詞の世界も非常に斬新なものばかりです。
(下記記事で歌手の一部を記しています)
それはそれで非常に素晴らしく、強く評価したいと思っています。
その一方で、「単純さの美学」にも、また捨てがたい魅力があるものです。
湯原昌幸は、歌い手だけでなく、その巧みなMC力でコメディアンにも挑戦。
往年のピン芸人(その頃そんな言葉はありませんでしたが)・せんだみつおと「せんみつ・湯原」のコンビとしてコントのレギュラー番組を持ったり、数々のバラエティー番組でパネラーやレポーターを務めたりもした、「元祖マルチタレント」でした。
その後、元アイドルの荒木由美子と結婚し、夫婦で番組に出演する機会も多く見かけました。
しかし、「本業」の歌手としての実力はホンモノ。
童顔なルックスとは対照的な甘い歌声。
当時24歳にして、まさに絶品の表現力です。