さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

グループからの「卒業」という名の脱退は、芸能界からの「消滅」への道

本当の歌唱力で勝負できる「ソロ歌手」待望は、もはや夢。

グループ歌手全盛時代です。

AKBファミリーしかり、ジャニーズ系しかり。

特に女子グループの場合、ユニットとしての延命・新陳代謝を図るべく、「卒業」という美名のもとに、メンバーの脱退・加入の入れ替えが通例になっています。

 

具体名を出すとファンの方に叱られそうですが、話が成り立たないのでご容赦下さい。

 

現在最も典型的なのは、AKB48におけるメンバー脱退・交代です。

SKE48やNMB48など「姉妹ユニット」や、「公式ライバルユニット」として結成された乃木坂46がまだ生まれる前、つまりAKB48だけが存在していた頃、初期の主要メンバーのうち何人かは、まだ「個人名」が認識されていました。

エース的存在だった前田敦子をはじめ、大島優子篠田麻里子渡辺麻友高橋みなみ小嶋陽菜板野友美が「神7(カミセブン)」と呼ばれていた時期がありました。

しかし現在、彼女らはみな「卒業」し、グループに残っていません。

そして、「卒業生」の多くはもしかしたら実質上芸能界にも残っていません。

 

AKB48としては今でも定期的にシングルを発売しており、それらがいずれも発売初週でミリオンを達成し続けていますが、「1週間限定」の話。

翌週には、別の歌い手が1位の座をかっさらっていきます。

saewataru.hatenablog.com

 

しかもその内実は、限定的な固定ファンが握手券欲しさに一人で何十枚も購入している結果であることはよく知られた話。

ゆえに、100万枚CDが売れても、配信でどれだけ稼いでも、世の中の多くの人はその歌を知らない。

販売実績と楽曲の認知度は、著しくかけ離れています。

 

ファン以外にも「世間的に」楽曲が浸透したと言える一番最近の曲は、個人的印象だと「恋するフォーチュンクッキー」ぐらいではないでしょうか?

あれからもう6年が経っています。

たくさん類似のユニットが生まれたことで、ミリオン連発にもかかわらず「元祖」AKBの存在感はだんだん薄れていっているような?

今はむしろ、乃木坂の方がメジャーになりつつある勢いです。

そして、現メンバーで「神7」ほどの知名度を誇っている個人を、私は知りません。

 

そして、「卒業」後も在籍時以上に活躍し続けているメンバーをほとんど見かけません。

あえて言えば、「ブサイクアイドル」を自称しつつ、話術・コメント力で一歩秀で、バラエティー番組で活動している指原莉乃と、これまた当初「AKBのおバカキャラ」だったのが華麗(?)に女優転身を図り、CMにも多く露出している川栄李奈あたりが「生き残り組」なのでしょうか。

 

これに似た手法は、20年近く前、モーニング娘。でも大々的に行われていました。

デビュー2作めにして新規メンバーを加入させたり、ハロプロ内でシャッフルユニットを作ったり。

そしてその後「卒業」「加入」を何回も繰り返し、現在もユニット名は残っていますが、元のモーニング娘。とはまったく別モノになっています。

初期の主要メンバーはみな「卒業」し、そして芸能界からもほぼ忘れ去られています。

ユニット最強メンバーと言われた後藤真希も過去の人になり、現在最も注目されているのは、夫婦生活ブログで炎上を繰り返す辻希美ではないか、というのも皮肉な話です。

 

さらにその10数年前にも、「おニャン子クラブ」をめぐる同様のグループストーリーがありましたが、長くなるので省きます。

 

ジャニーズでも、数々の「卒業劇」が。

NEWSは、6人のうち中心メンバーだった山下智久錦戸亮が脱退(彼らはソロ俳優で続いているようですが)。

関ジャニ∞からは内博貴錦戸亮渋谷すばると3人も脱退し、5人になってしまいました。

錦戸亮が、NEWSと関ジャニ∞双方のメンバーだったことは、いまやあまり知られていません)

KAT-TUNは、6人だったのがスキャンダルがらみで3人に減って、ほとんど空中分解状態です。

TOKIOからもメンバーが減り、音楽活動が出来なくなりました。

昨年鳴り物入りでデビューしたKing&Princeも、6人でのデビュー早々1人が「卒業」ではなく(ある意味もっと深刻な)「休養」でグループを抜け、復帰の可能性は低そうです。

 

グループからの「卒業」とは、「卒業⇒独立⇒飛躍」の前向きで華々しいイメージとは正反対の、芸能界からの「退場」を意味するものであるようです。