さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【懐かしい歌No.28】「サイレント・イヴ」辛島美登里(1990)

この1か月ほどのいわゆるクリスマスシーズン。

街を歩いていればいろいろなお店から、

テレビを見ていれば番組のBGMとして、

必ず何かしらのクリスマスソングが流れています。

 

先日「メリクリ」の際取り上げたように、クリスマスを歌った日本発のヒット曲も数多くあります。

「日本一売れているJ-POPクリスマスソング」であろう山下達郎「クリスマス・イブ」は、なんと今年も「2019年ヴァージョン」として再リリースしています。

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それなのに、よく聞こえてくるのはなぜか洋楽。

特に多いと感じられるのが、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」と、ワム!の「ラストクリスマス」。

さらに「恋人たちのクリスマス」は、発売から25年にして初めてビルボードチャート1位を飾ったこともあってか(最初の発売時はアルバム収録曲だったため、ランキングの対象外だった)、ここへ来て話題再沸騰といった感じです。

 

テレビの場合

「日本語の曲を使うと、歌詞とナレーションの日本語がぶつかり合ってしまい、BGMになりにくい」

という話を、業界関係者から聞いたことがあります。

ちょっと納得しました…

 

さて、イヴの今宵。

数あるクリスマスソングのうちで「切なさ」系では屈指の名曲、

辛島美登里「サイレント・イヴ」

を取り上げました。

 

TBS系ドラマ「クリスマス・イブ」の主題歌として1990年の11月に発売され、オリコン1位も獲得。

クリスマスソングでありながら、クリスマスをはさんで翌年にもまたがるロングヒットを遂げました。

以降「クリスマスシーズンと言えば…」の定番曲のひとつとなっています。

 

イントロは長調で始まるのですが、ヴォーカル部分は悲しい短調のメロディーラインでスタート。

サビでは長調に転調するのですが、なんといっても歌詞が

「さようならを 決めたことは 決してあなたのためじゃない」

「もう二度と 二人のことを じゃましたりしない」

と、別れ・失恋(しかも女友だちとの三角関係を連想させる世界)をテーマにしているため、クリスマスの「明るさ」「温かさ」より「哀しさ」「切なさ」の方が強く胸に残ります。

そこがまたグッとくるポイントでもあります。

 

きっとマスメディアの影響でしょう…

いつの頃からか、クリスマスは「恋人と過ごさなければいけない」的な空気感(?)がありますが、みんながみんな好きな人とハッピーなひとときを過ごせているわけではない。

つらく悲しい別れを体験した人も、少なからずいるはず。

切なさを表現したこの曲が支持されたのには、そんな背景もあるのかもしれません。

 

オリジナルのシングル盤サウンドではなく、ピアノ&ストリングスの別アレンジです。 

皆様に、メリークリスマス!!

 

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