【懐かしい歌No.83 思い出深いウェディングソング】「Get Along Together~愛を贈りたいから~」山根康広(1993)
山根康広。
彼の肩書は「ロック・シンガーソングライター」ということになっているようです。
しかし、代表作であるこの曲からは「ロック」のテイストは感じられません。
もともと米英のロックに影響を受けて音楽活動を始めた経緯があり、この曲以外のナンバーはアップビートの激しい曲調のものが多く見られます。
とは言え、「山根康広と言えばこの曲」が、一般の認識かと思います。
1993年に、彼自身の友人の結婚式のために書き下ろした
「Get Along Together」でデビューするも、振るわず。
セカンドシングルとして、同曲をリメイクし、タイトルに
「~愛を贈りたいから~」
のサブタイトルを付けてリリースしたところ、これが爆発的なヒットに。
その年の「日本レコード大賞最優秀新人賞」に選ばれるとともに、「紅白」にも出場しています。
サブタイトルを付けるだけでヒットするなら話は簡単で、きっと楽曲そのものにもかなり手を加えたものと思われますが、ファーストシングルからは「微修正」程度の似た曲調だったのか、まったく違うトーンだったのか、あいにく耳にした記憶がありません。
それはともかく…
ピアノソロのイントロがマイナー(短調)で始まるため、
「タイトルはハッピーなムードなのに、暗い曲なのか?なぜ?」
と一瞬思ってしまいます。
しかし、そんな懸念は歌が始まると一気に解消。
ただただ純粋でストレートに「君」へのラブコールが続きます。
1番の
「もう二度と放さない 君の瞳 僕はずっと君を守っていく」
2番の
「これからもずっとそばにいて 愛を贈りたいから」
これ以上はないと思えるような「愛の言葉」が繰り広げられます。
まさに「結婚式ソング」そのものです。
そして、ラストにようやくタイトルの英語フレーズが登場します。
バックサウンドについて。
バラード曲を取り上げる時には再三触れている特徴、つまり
「1番では抑えめにして静かに歌い、2番ではバックを厚めにして朗々と歌い上げる」
パターンが、この曲でも忠実に反映されています。
実は、私が友人の結婚披露宴で、実際に歌った経験のある曲なのです。
披露宴や「お見合いパーティー」の場には、スタッフとしてかなりの数出席しています。
また、普通「音楽でお祝い」と言われると、圧倒的に「ヴァイオリンを演奏して欲しい」とのリクエストが多いのですが、「どうしてもこの歌をさえわたるに歌って欲しい」とのたっての希望がありました。
そこで、人生で後にも先にも1回だけ、披露宴の席で歌声を披露したことがあります。
それだけに、プレゼントした側でありながら、非常に印象に残っている1曲なのです。