【懐かしい歌No.57】「離したくはない」T-BOLAN(1991)
1991年にビーイングからデビュー。
平成になりたてのこの頃、このカタカナ言葉は「流行語」的に取り上げられました。
T-BOLANにとって2枚目のシングル。
もともとは、バンド名と同じタイトルのデビューアルバム「T-BOLAN」収録曲からのシングルカット曲でした。
この曲のヒットで、前回取り上げたZARD同様「ビーイング系バンド」の一員としての知名度が一気にアップしました。
途中解散・再結成を繰り返しながら、現在は一応「活動状態」となっているようですが…。
彼らの醸し出すロック基調のサウンドは、クラシック出身の私からすれば、本来ならばあまり興味を惹かれないところ。
「ロック」というジャンル自体、ふだん積極的に自らの「鑑賞&歌唱」リストに入ってくるものではありません。
しかし、この「離したくない」は、ちょっとばかりテイストが異なりました。
あえて名付ければ、「ロック調バラード」とも言える雰囲気です。
ピアノソロから始まるイントロ。
流れるようなメロディーラインの美しさ。
そして、何と言っても森友嵐士のヴォーカルのインパクトで、一気に歌の世界に引き込まれていく気分になります。
冒頭Aメロでの男っぽい低音部、そしてサビに入る前に突然グッと盛り上がる。
そして、お待ちかねのサビ。
「こんなにEvery day Every night~」
からの絞り出すようなヴォーカルは、心の底から発せられる「魂の叫び」のような魅力で、ずっと耳に残ります。
実のところこのヨコ文字フレーズは、英語としてのイントネーションとメロディーの上がり下がりが一致していないのですが、そこもあえて織り込みながらの作曲だと思っています。
いずれにせよ、「歌い上げるバラード」は、歌っても心地良いフレーズでもあります。
名目だけでない「活動状態」を見てみたいバンドのひとつです。