さえわたる 音楽・エンタメ日記

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「海外留学」という名の「芸能活動休止」は、「アイツは消えた」を乗り越えられるか?ブルゾンちえみ・ピース綾部・ウエンツ瑛士

華やかな芸能界で、長年「第一線」の活躍を続けられる人はほんのひと握りです。

特に、芸人・バラエティーの分野で顕著な現象が、一発屋と呼ばれる人たちの存在。

 

それでも、その「一発」を当てられる人は、実にラッキーで偉大だと思います。

「その他大勢」の人は、それさえも叶えられることがままならないのですから。

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日曜日に、日本テレビ行列のできる法律相談所をちょっとだけ見ていました。

この番組のひな壇ゲストとして、準レギュラー的に起用されていた

ブルゾンちえみ

のラストステージ、的な回でした。

 

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主にブルゾンちえみ with B」として活動。

「24時間テレビ」のマラソンランナーに選ばれるなど、一時期は「売れっ子女芸人」のひとりとして活躍していました。

ネタの中で、具体的に何をしゃべっていたのかまでは詳細には覚えていません。

時代の流れは、実に速いものです。

ただ、その中で

「35億」

の一単語だけは、人々にインパクトを与えました。

 

しかし、正直なところネタはそのひとつだけ。

もはや「忘れられかけた」芸人のポジションに近づいていました。

 

本人も周囲のスタッフも、それをすでに察していたのでしょう。

所属事務所を円満退社して、一時芸能活動を休止。

そして、イタリアに留学。

今後は本名の「藤原史織」として活動していく旨が発表されました。

 

また、ほとんど「with B」としての認知度しかなかったバックの2人ブリリアンも、このほど解散が発表されました。

 

活動休止⇒留学の理由として挙げられていたのが、

西日本豪雨の際ボランティアに参加し、社会貢献への意識を強く持った。もともと、環境問題などにも関心があったことから、視野を広げようと海外留学を決意した」

というもの。 

 

一見、「より高みを目指すための意欲的なチャレンジ」と言えないこともありません。

一方で、いつの日か帰国した時に、新たな活躍の場が用意されている保証はまったくありません。

 

最初のネタは、確かに斬新だった。
しかし、再び脚光を浴びるためには、以前とは違った形でそれ以上の強烈なメッセージを発さなければならない。
復帰の道は、きわめて厳しいのではないかと見ています。

それとも「お笑い」ではない、まったく別の道への転身を図るのか…



そういえば、同じお笑いの世界で「ハリウッドを目指してNY留学」をした芸人がいました。

「ピース」の綾部祐二です。

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「群雄割拠」のコンビ芸人の中で、やや遅咲きながら、ピースはそこそこの知名度を確立していました。

キャッチフレーズ的な「決めゼリフ」があるわけではありませんでしたが、コンビとして成功した部類には十分入ると思います。

コンビの中では、当初どちらかと言えば綾部の方が前面に出て、又吉直樹がフォローする立ち位置だったイメージがありました。

 

ところが、ご存知のように又吉が小説家として「花火」を発表し、芥川賞を受賞して一躍「時の人」になってから、状況は一変。

又吉が「文化人」枠として見られるようになって以来、自身の今後の活動を模索する中で、NYへ「自分探しの旅」に出る決意に至ったようです。

 

2017年10月に日本を離れてから、はや2年半。

その後の現地での動向については、あまり報じられてはいませんが、

  • ラスベガスのリゾート「シーザーズパレス」のPR動画への出演
  • パシフィック・リムカップ(日米サッカーチームによる国際大会)のチャリティアンバサダー
  • Netflixオリジナルバラエティ番組「ファイナル・テーブル」への出演
  • 歌詞の日本語訳や作詞等、音楽関連のプロジェクトへの関与

など、いくつかのイベントに関わっている模様。

 

たとえ単発であったとしても、生活環境の異なる海外で仕事を獲得している姿は立派だと思います。

ただ、日本から見ると、それぞれの仕事の「重み」がなかなか実感をもって伝わってきません。

「さまざまなオーディションを受けるも結果は思わしくない」、という話も伝わってきています。

強いて言えば、Netflixの名前は知っていて「それに出ているのなら…」と思えなくもないですが、「華々しく大活躍中」なのかどうかまではわかりません。

本当にハリウッド制作の映画に出演、ともなれば、評価されるべき実績なのだと思いますが…。

 

はっきり言えることは、「コンビ芸人枠」は日々新しい顔ぶれが登場する中で、より生存競争が熾烈になっているという事実。

ピースは、表向き解散はしていないとされていますが、すでにそれぞれが別々の道を歩んでいる印象は否めません。

 

純粋な「お笑い枠」ではありませんが、もう一人。

2018年10月に単身イギリスに渡ったのが、タレントの

ウエンツ瑛士

です。

 

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ちょっと前、彼がレギュラー出演していた日本テレビ系バラエティー番組「火曜サプライズで、現地での彼の近況がオンエアされていました。

レギュラー復帰なのかスペシャルなのか、今夜の放送にも出演するようです。

写真左側の前髪を下ろしたイメージをずっと持っていましたが、久しぶりに画面に映った彼は、ヘアスタイルが大胆にチェンジしており、改めて「歳月」を感じました。

(と言っても、ほんの1年半なのですが…)

 

父親はドイツ系アメリカ人、母親は日本人。

ルックスが「典型的なハーフ」ながら、「英語が話せない」ことが逆にひとつの「ウリ」のようになっていました。

 

その「芸歴」は長く、芸能活動のスタートは4歳からモデルとして。

NHK教育テレビEテレ)「天才てれびくん」にレギュラー出演。

以後もテレビドラマなどで俳優として活動する一方、小池徹平とのデュオ「WaT」として歌手活動も行っていました。

メジャーデビュー曲の「僕のキモチ」で、2005年の紅白にも出場。

デビューから史上最短(1ヶ月29日)で初出場という「記録」も持っています。

 

現在、ブロードウェイと並ぶミュージカルの本場であるロンドンで、語学や歌・芝居などのトレーニングにチャレンジ中とか。

 

「一発芸のギャグ芸人」ではありませんが、「ハーフ顔ながら、バラエティーもこなすグッドルッキング・ガイ」が持ち味だった彼は、ある意味で「若さを売りにしたアイドル」と同じ宿命を背負っているようにも思えます。

今後「演技派」として実力を発揮し、違う形で再び活躍する姿を見ることが出来るのかどうか…

 


現在は、ほんの数か月マスメディアの「表舞台」で姿を見かけなくなったとたん、

「アイツはもう消えた」

と言われる芸能界。 

「海外留学」は、それを食い止め跳ねのけるだけの「イメージアップ・維持戦略」として機能するのでしょうか?