アニソンはいまやれっきとしたJ-POP。アニメ本編以上にハマった歌「RPG」 SEKAI NO OWARI(2013)元気ソング!
ニッポンは今、アニメ文化真っ盛りであります。
そんなアニメの主題歌といえば、かつては文字通りその番組の「テーマソング」。
そこには主人公の名前が必ず登場し、いわば番組の中のみ「通用」する歌、という位置づけでした。
たとえば…
「サザエさん」の主題歌は、あくまでサザエさん用の「オリジナルソング」。
歌番組やヒットチャートに登場する歌ではありません。
しかし最近のアニソンは、番組やその主人公キャラをイメージさせながらも、単独でれっきとしたJ-POPとして成立している歌が多いように感じます。
オープニング・エンディングにそれぞれ別の歌が起用されており、何曲か代替わりしていますが、最も有名なのは「おどるポンポコリン」でしょう。
今から30年前の1990年に発売。
番組のテーマソングでありながら、「サザエさん」と異なり主人公名は登場せず。
曲単独でヒットチャートを駆け上がり、その年のレコード大賞も受賞。
まだ日本中が「ピーヒャラピーヒャラ」浮かれていた時代でした。
同じく有名どころで言えば、20年以上前に発売された「めざせポケモンマスター」はしっかりオリコンにチャートインし、ロングヒット。
ミリオンセラーを記録しました。
「ポケモンゲットだぜ」のイメージはあるものの、曲調は巷のJ-POPと何の変わりもありません。
ごく最近では、爆発的人気を超えて「社会現象」と言ってよい「鬼滅の刃」のオープニングテーマとして起用されたLiSAの「紅蓮華」(ぐれんげ)が番組同様大ヒット。
昨年の紅白にも初出場しました。
もちろんアニメのイメージを背負ってはいるものの、単独のJ-POPとして十分成立しています。
現在あらゆるアニメ番組のテーマソングに使われている楽曲は、もはや「ヒットチャートの牽引車」的存在となっています。
これが劇場版アニメソングとなると、ますます「イメージソング」の色合いが強くなります。
まず、最も有名なアニメソングと言えば…
「カラオケに行けば必ず誰かが歌う」ほどカラオケソングの定番となっている「新世紀エヴァンゲリオン」のテーマ、「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)。
歌詞に「エヴァンゲリオン」の言葉は一切登場せず、アニメのテーマから完全に独立した、ある種哲学的な雰囲気さえ漂う歌詞の世界観となっています。
そして、秦基博の代表作である「ひまわりの約束」は、「ドラえもん」のテーマソング。
優しさを感じさせるミディアムなナンバーで、アニメの温かいイメージを彷彿とさせる作りになっています。
主題歌になることを想定して作られたのか、すでに作られた歌をテーマソングにしたのか。
おそらく前者だとは思いますが、単なるテーマソングの範疇を超えた存在のように思えます。
アニメを見る習慣がない私が、主題歌にだけ惹かれてしまったのが、SEKAI NO OWARIが「クレヨンしんちゃん」に提供した、メジャーデビュー後4枚目のシングル「RPG」です。
これももちろん歌詞の中に「クレヨン」も「しんちゃん」も出てきません。
むしろ、「つらい時も、しっかり将来を見据えよう」と訴えかけるメッセージソングのようにも思え、落ち込んだ時など
「怖いものなんてない 僕らはもう一人じゃない」
の前向きなサビフレーズの歌詞に、なぜかグッと励まされるのです。
この歌詞の通りだと、強く思います。
マーチ風のリズムも、聴いていて心地良いです。
今年に入って東芝の企業CMソングに起用され、再び耳にすることも多い楽曲です。
元気が出る歌です。
発売から7年が経った今も、彼らのシングルの中で一番のお気に入りソングになっています。