「なんでだろう?」だけで20年以上活躍するスゴさ~テツ and トモ
おとといコンビ芸人の記事をアップしながら、毎年のように「一発芸」でブレイクし、あっという間に消えていく芸人たちを思い起こしていました。
ピン・コンビに限らず、またヒットの大小にかかわらず、そうした芸人は星の数ほどいました。
「一発芸(ギャグ)」と言えば、「一瞬だけ売れて、すぐ消える」ことがセットになっているのが普通です。
しかし、実は「消えていない」芸人がいました。
そのうちのひと組が「テツ and トモ」です。
彼らのお決まりのギャグフレーズ
「なんでだろう?」
が流行り、紅白にまで出場したのは、今から17年も前の2003年でした。
その後数年で、他の一発屋芸人同様、テレビからの露出は確かに減りました。
しかしその後も、地方イベントや展示会でのいわゆる「営業」のオファーは絶えることなく、曰く年に200本ほど仕事があるとか。
流行語大賞になってマスコミで大騒ぎされていた頃よりも、現在の方が着実に「仕事のオファー」が舞い込んでいるそうです。
「消えない一発屋」として、ものすごい実績だと思います。
誰もが知っていそうな、でも言われなければ興味を持たなさそうな素朴な疑問をネタとして拾ってきて、
「〇〇が〇〇なのはなんでだろう?」
とひたすら繰り返す。
パターンは一緒ですが、発想のアンテナを張ってさえいれば、ネタは無尽蔵です。
ブログで言えば「特化型」の代表かもしれません。
人を貶めたり、必要以上に自虐ネタを入れたり、ギャグとは言え相手の頭を叩いたり、といった「毒」がまったくありません。
老若男女問わず安心して楽しめます。
そして、ギターを持っての歌唱担当のトモはもともと歌手志望だったこともあり、さりげなく歌が上手い!
ステージ上では「セリフ」がなく、ただ動いているだけのテツも、実はきちんと歌えるのです。
以前、彼らが「お笑い抜き」で歌っているのを聴いたことがありますが、プロ歌手にまったく引けをとらない歌唱に驚いた記憶があります。
画像はおととしのお正月番組のようですが、テレビに出だして注目され出した頃からまったくトシをとっていない感じがします。
ここまで「ワンパターン」を貫くのは、別の意味でスゴイと思います。
オマケコメントですが、彼らの「テーマソング」を音楽的にプチ分析。
短調なのに全然暗さ・悲しさがなく、こんなにも明るく響くのは「なんでだろう?」。
そして、結びの部分は華麗に長調に転調し、しかもしっかりハモっている、このハイテクニックは「なんでだろう?」。