声優。その爆発的な人気の背景にあるのは?歌手としても活躍する代表格、「深愛」水樹奈々(2009)
声優という職業。
実は、俳優(役者)と同じくらい歴史があります。
ただし長いこと、残念ながら(また失礼ながら)俳優より一段下の立場に見られてきました。
それが今はなんと、顔を出す俳優を凌ぐほどの爆発的な人気を誇るまでになっています。
アニメ文化の異様とも言える盛り上がりと、深い関係がありそうです。
「商売道具」である声を生かし、洋画やアニメの吹き替えだけでなく、そのテーマソングのシンガーとしても活躍している声優が多数現れるようになりました。
彼らは、特徴ある声だけでなく、歌唱力・表現力も身に付けているのですね。
将来なりたい職業でも、最近は上位にランクインしています。
改めて考えてみると、「声だけで勝負すること」の奥行きは思った以上なのだと感じます。
声優云々でなくとも、テレビとラジオを単純比較すれば、イメージしやすいことかもしれません。
顔が見えない分、受け取る側のイマジネーションが広がります。
時々「顔出し」でテレビに出演して役柄の声を出しただけで、「おぉ~!」という驚きと感動の声が湧き上がるのが面白いです。
俳優は、年齢とともに演じられる役柄がどうしても限られてきます。
うまくイメージチェンジできれば、それはそれでまた別の役を演じられるといった面はあります。
しかし、いつまでも「若い時のイメージ」にこだわるあまり、トシを重ねてから「イタイ」姿になっている芸能人も男女問わず多数います。
その点声優は…
何と言っても「年齢を超越する」ことができるのが大きな特徴です。
本人が70代80代を迎えても、画面の中では若者や子供を演じることが可能です。
ルックスやイメージがまったく異なる別のキャラクターになりきることも出来ます。
幼い子どもや少年の声を年配の女性声優が演じることは、決して珍しくありません。
ドキュメント番組などのナレーションも、「声の本職」だけあって、アナウンサーが行うより味があって素晴らしい場合があります。
もちろん、良い面ばかりではありません。
演技・感情を声だけで表現するのは決してたやすいことではない。
そこには、本人の並々ならぬ努力が大前提となります。
時には、俳優以上の厳しいオーディションをクリアしなければならないこともあるでしょう。
「声優」の肩書を持ちながら、「歌手」としても活躍し、最も実績を挙げていると思われるのが、水樹奈々。
6回の出場歴を持つ「紅白」で、初めて歌った曲「深愛」です。
「本業」ではさまざまな役柄を演じ分けていますが、「地声」での歌い手としても立派なプロです。
この速いテンポで、細かい16分音符が多用され、かつ思いがけない転調を繰り返す複雑なメロディーラインを、華麗に歌いこなしています。
(冒頭25秒ほどお待ち下さい)
「声優」にまつわる?個人的なエピソード。
学生時代、私は「放送部」に所属していました。
「部活」というより、「生徒会」「学級委員会」に近い役割だったような記憶があります。
全校生徒に向けて、「ミニDJ」のような活動をしていました。
そういう活動の出来る(許された)学校でした。
昼休みに、各教室に向けてレコードの音楽を流したり、ちょっとしたトークを繰り広げたり。
下校時には「皆さん、下校の時刻になりました。校庭の遊具は早めに片づけ、忘れ物のないよう、早めに帰りましょう」などのアナウンスしたり。
それが高じて「声優になるのも魅力的だなぁ」と思った時も一瞬だけありました。
「声優」というより、「人前でのしゃべり」が好きだった…
と言った方が正しいかもしれません。
思春期の頃の話。
まだ将来の具体的な展望など抱いてはおらず、単に物事の目立つ面、良い面だけしか見えていなかった時期です。
周囲から
「声がいいねぇ」
「しゃべるのがうまいねぇ」
などとおだてられて、イイ気になっていただけです。
でも、そんな夢はまさに瞬間で消え失せました。
なぜなら、自分は「裏方」としてマイクに向かっているより、当記事で再三話題にしているように、前面に出て姿を見られることに快感を覚えてしまったからです…
その後、記事で随時紹介しているような「人前に出るさまざまな活動」がスタートしました。