芸能人の結婚会見に思う。「共通の知人」がそんなに都合よく現れたら、出会いの苦労はない
芸能人の結婚会見で、ほぼ例外なく尋ねられる質問のひとつに、
「お相手とは、どういったきっかけで出会われたのですか?」
があります。
回答にも、さまざまなケースがあります。
芸能界にはその特殊性から、一見無限の出会いの可能性があるようにも思えます。
しかし「結婚」を意識するまでとなると、思ったほどのチャンスがあるわけではないのかもしれません。
売れっ子であればあるほど、仕事に追われて、あるいは顔が知られ過ぎて、出会いの機会を逸していることもあり得ます。
結果、勤め人と同じような「職場結婚」、
具体的には
- たまたま同じ番組に出演した
- 同じドラマで共演した
- 番組の出演者とスタッフの関係だった
- (厳密には芸能人ではないが)スポーツ選手とインタビュアーたるアナウンサー
のパターンをよく見かけます。
そんな中、けっこうな頻度で使われる回答が
「共通の知人の紹介から交際に発展した」
というもの。
すなわち「キューピッド役」がいた、というものです。
たとえば、自分が結婚を考えている身だと想定する。
キューピッドになってくれる人はいるだろうか・・・?
学生時代の親しい友人・仕事関係の知人・趣味活動を通じた仲間…
いろいろな知り合いはいるけれど、結婚相手を相談するような間柄の人は、そうカンタンには見つかりそうにありません。
仮に「共通の知人」になりそうな人がいたと仮定します。
その知人が男性だった場合。
彼には、私に引き合わせようとする、私にお似合いだと彼なりに判断する「異性の知人」がいることになります。
すると、彼とその女性との間柄は何なのか?
恋愛関係のない、ただの知り合いに違いない。
そうでなければ、他の誰かに紹介などするはずがない。
なかなか実現しそうにないシチュエーションです。
では、
私の知人が女性だった場合。
彼女は、彼女自身の女友だちのうち、私にお似合いだと思う女性を結婚相手候補として私に紹介することになります。
そこまで好意的(?)で、かつ恋愛感情のない異性の知り合いを、少なくとも私は持っていません。
一層実現しそうにないです。
二人を結婚にまで至らしめるほどの
「共通の知人」って、具体的にどんな存在
なのでしょうね?
昨年、南海キャンディーズの山ちゃんと蒼井優の結婚が話題を呼びました。
その時の「共通の知人」が、まさにしずちゃん。
コンビは男女とは言え、どう見ても恋愛関係にあるとは思えない。
しずちゃんは、映画「フラガール」で蒼井優と共演して以来、親交があったとか。
絵に書いたようなキューピッド劇だなぁと思いました。
以前記事で触れたように、私は「集団お見合いパーティー」のBGMヴァイオリン演奏係として、結婚を前提とした出会いの現場を長いこと見てきました。
パーティーは毎月のように開催されていましたが、毎回会場であるホテルの大宴会場が満杯になる盛況ぶりでした。
イベントスタッフによれば、予約待ち殺到で、参加には厳しい抽選があったそうです。
パーティー会場を見るでもなく見渡すと、「出会い」を求めて毎回のように参加している人もいました。
学生時代からの「カレシ、カノジョ」の付き合いが続けば、スムーズなゴールインになりやすいです。
しかし、社会人になるとトシとともにどんどん忙しくなり、自由な時間は削られることはあっても、新たに生まれることはほとんどありません。
そうした中でまったく新しい「出会い」を探すのは、実際にはかなり難しくなります。
もちろん、キューピッドを探すのも、です。
冒頭の結婚会見Q&Aでの「共通の知人」発言は、当たり障りのない「ボカシ回答」なのかなぁ、とさえ思えてきます。