【懐かしい歌No.19】「燃える秋」ハイ・ファイ・セット
同名の映画の主題歌として、1978年に発売されました。
女性1人に男性2人。
ドリカムやELT・いきものがかりの「先輩」的構成による3人組ですが、決定的に異なるのは、3人がきちんとハモっている点。
もともとは、5人組の「赤い鳥」というユニットがあり(いまや学校の合唱曲の定番となった「翼をください」や「竹田の子守唄」が代表作)、それが3人組の「ハイ・ファイ・セット」と2人組の「紙ふうせん」(「冬が来る前に」がヒット)の2つに分かれて生まれたグループです。
ユーミンの作品として知られる「卒業写真」は、もともとは1975年発売の彼らのデビュー曲でした。
ほかに「中央フリーウェイ」や「フィーリング」などのヒットでも知られています。
「燃える秋」の作詞は、作詞家というよりむしろ作家として知られる五木寛之。
そして作曲は、はやり歌というよりクラシック界でその名を知られる武満徹。
そう知ると、この詩心あふれるストーリー、格調高いメロディーラインやアレンジも納得できます。
Aメロが繰り返された後の英語フレーズ。
短調から長調に転調?と思いきや、わずか2小節だけ長調のメロディーが現われるだけで、また短調に戻ってしまう。
一般のJ-POPではありえないメロディー進行ですが、まったく違和感なく効果的なインパクトを残しています。
メインの山本潤子が、当時まだ20代にして貫禄の美しいヴォーカルを披露しています。
意識していないとわかりませんが、ブレスの回数が少ない!
言葉の意味の区切りを、メリハリをつけつつきちんとひと息で歌い切っています。
地声とファルセットの境目も実にスムーズです。