さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

「ひとり」はそんなに哀れで寂しい、悪いものなのか?

ひとりの状態でいることに対し、「誰ともかかわれなくて、孤独でかわいそう」「哀れで寂しい」と決めつける風潮が優勢です。

最近(だいぶ前?)編み出された「おひとりさま」という言葉も、「サマ」を付けることが却って嫌味になっているところもあります。

 

「ひとり」でいることは、そんなにネガティブなことなのでしょうか?

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いちばん象徴的なのは、結婚。

今の時代、男女とも一定の年齢になったら結婚するのが当たり前、といった価値観は崩壊しつつあります。

結婚していない人たちの中には、「結婚できない」のではなく、自分の意思として「あえて結婚しない」生き方を選んでいる人も多数いるはずです。

 

また、トシを重ねてリタイア年代になると、一般的に女性は「友だちを作って集う」のが上手ですから、買い物も旅行もダンナとではなく同性の友人と、が普通に行えます。

これに対し、男性は現役時代仕事以外のコミュニティをほとんど持っていませんから、その軸を外されたとたん、周囲とどう付き合ってよいかわからなくなりがちです。

結果、家族はいてもココロの中は「ひとり」。

下記記事のような残念なオッサンを生むひとつの要因かもしれません。

saewataru.hatenablog.com

私も、家族はいますが仕事の関係でふだんはひとり暮らしです。

妻は親の介護で忙しかったり、子供たちも長期出張や泊まり込みの仕事が多くて忙しく、かつ遠方在住ということもあって、なかなか顔を合わせるわけにはいきません。

結果「ひとり」でいる時間が長くなります。

 

自分自身、人付き合いはそんなに悪い方だとは思いません。

でも、どうしても人と「群れて」いないとダメかと言うと決してそんなことはないし、「ひとり」でいる自分が哀れなどと思う気持ちはこれっぽっちもありません。

 

幸い、炊事・洗濯・掃除や日用品の買い物などは、長い単身赴任生活ですっかり慣れて全然苦になりません。

空いた時間にあえて人と付き合わなくても、歌作りや旅などひとりで楽しめるすべをいっぱい持っているので(最近はそこに、ブログのネタを考える新たな作業も加わった)、寂しさや退屈とは程遠い生活を送っています。

仕事をリタイアするトシになっても、ヒマを持て余す事態にはなりそうもない。

むしろ、ひとりでやりたいことがありすぎて困っています。

 

周囲との触れ合いは「プラスアルファ」としてあれば十分OK、ぐらいの気持ちです。

もちろん人と会えば楽しいけれど、それが過ごし方のすべてではない。

 

「老後は積極的に地域の人たちと触れ合いましょう」の価値観押し付けスローガンもよく聞きます。

あれはいったい誰が決めたのでしょう?

 

今はSNSで「ゆる~く」つながっていられる時代でもあるし、その気になればいつでも集まれる環境が整っています。

自分が心地良いと思えれば、それが周りに迷惑を与えるものでなければ、「ひとり」を嘆く余地なんて、どこにもないのではないかと思います。