「闇営業」・「不適切行為」・「薬物依存」をあえてランク付けするなら?話題となった芸能人の「復帰」に思う
今日は、タイトルの3つの事件について述べたいと思います。
まずは、昨年「ウラ流行語大賞」になりそうだった吉本のいわゆる
「闇営業」問題。
発覚から半年以上を経て、事件そのものに対するマスコミの大騒動はようやく決着し、現在は「主要な当事者」たちの「芸能活動再開」に視線がシフトしています。
事件にかかわった13人のうち、特に注目を浴びたのが宮迫博之と田村亮の2人であることは間違いないでしょう。
現在のマスコミの論調・一般世論も含め、田村亮の復帰に対しては、相方・田村淳の絶妙のサポートもあってか、概ね好意的に捉えられている。
これに対し、宮迫博之に対しては
「なぜこのタイミング?」
「なぜYouTube?」
といった疑問が投げかけられている印象があります。
相方・蛍原徹には、もちろん何の罪もありません。
私も、この空気を違和感なく受け入れている感じがします。
この2人に対する「事件前からの好き嫌い」も、潜在的に影響しているのかもしれません。
宮迫の方がより「主犯格」だったせいかもしれません。
彼らの行為が、芸人として、それよりも社会人として相応しくなかったのは言うまでもありません。
ただし、「闇営業」自体が行われていたのは、報道の5年も前のこと。
法律的に問題ではあるのでしょうが、すでに「時効」が成立しています。
また、報道過熱時は「ウソをついた」云々がずいぶん大きく取り上げられました。
行為自体を、「故意か過失か」という点で考えた場合…
当然、故意の方が過失より悪質性は高いと言えます。
この行為は「故意」に近い部分もあるかもしれませんが、しいて言えば「過失」性の方が強い、と見ています。
彼らに対して課せられた罪は、懲役ではなく「社会的制裁」です。
それらをすべて含めて、事件発覚から半年以上経って、今のタイミングでの復帰は「妥当」「許容範囲」と言えるかな、と感じています。
タイトルに挙げた3つの事件を、個人的にあえてランク付けするなら、罪は「小」です。
本格的な展開は、まだまだこれからではありましょうが。
次に、それより深刻だと思うのが、これもいわゆる
「不適切行為」と呼ばれるものです。
事件に及んで、芸能界を「無期限活動停止」処分となった小出恵介が、NYで復帰すると先日報じられました。
事件自体が2017年のことだったので、その後のニュースに紛れて忘れかけていたところでしたが、当時の論調では、
「刑事事件になる可能性はなくとも、芸能界復帰は難しいのではないか?」
がメインだった気がします。
結局、法的には示談が成立して一応一件落着になった、とか。
今回の復帰劇には、もはや芸人としてではなく別の分野で「レジェンド」になりつつあるキングコング・西野亮廣の力が大きかったとされています。
しかしそれ以上に、彼を主要キャストに起用することを容認した制作サイドやスポンサーの影響力の方がはるかに大きいはずです。
これも「闇営業」問題同様、もう十分な「みそぎ」は済んだとの判断がされているのでしょう。
女性問題と反社問題、どちらが深刻なのか、一概に比較は出来ないところがあります。
ある程度共通するであろう「不適切行為」に絞ると、古い話をほじくり返すようで心苦しいですが、TOKIO・山口達也を思い出してしまいます。
彼は事件発覚後の会見で、「出来ることならば、もう一度グループで活動したい」旨の発言をしていた、と記憶しています。
しかし、結局それは許されなかった。
逐一名前は挙げませんが、過去にも同罪の芸能人は多数存在します。
復帰した人間もいますが、イメージ悪化が影響して結局「消えてしまった」人の方が多い気もします。
その差はどこにあったのか?
行為に関して、罪の重さが決定的に違ったのか?
悪質度のランクをあえて付けるなら、「中」です。
そして、最も罪が重い「大」クラスと考えられるのが、3つめの
「薬物依存」です。
くしくもほぼ時を同じくして、ピエール瀧と沢尻エリカがワイドショーの話題になりました。
ピエール瀧は、来年公開予定の映画に起用されることになったとして。
そして沢尻エリカは、裁判で有罪が言い渡されたとして。
裁判の結果は同じ。
2人とも「執行猶予」が付きました。
これまた2人とも、使用歴が1年2年程度にとどまらない悪質性の点で共通しています。
有罪となっても、執行猶予中は「仕事をしても良い」ことになっているようです。
その点で言えば、ピエール瀧が「仕事を再開」することは、法的には問題がないということになるのでしょう。
事件発覚から1年も経たないタイミングでの「復帰」公表。
ワイドショーでの野次馬コメントの中に、
「彼のキャラクターが、制作上どうしても必要だったから」
というものがありました。
本当でしょうか?!
同じ芸能人には、彼を擁護する発言が目立ったように思います。
一方、沢尻エリカの方は「現時点では」女優復帰は考えていないとコメントしています。
ただこれも判決直後の段階での発言であり、「ほとぼりが冷めれば、いつかどこかで」の疑念は拭えません。
早くも復帰?の一部報道もあるくらいです。
特に芸能界は「需要と供給」の世界です。
ニーズがありさえすれば、すぐ同じフィールドに復帰できるイメージが出来上がっています。
一般人でも「ファン」であれば、たとえ「罪人」であっても応援したくなるものなのでしょう。
多数の「前科者」たちが、何事もなかったかのようにテレビに顔を出し、ライブステージで活動しています。
視聴者感情とは別の観点からの懸念もあります。
何十年もの依存経験が、身体的に1年で完全に払拭されるものなのか?
同じ芸能活動の現場にカムバックして、また誘惑の手が伸びてくる可能性はないのか?
これが「一般の社会人だったらどうなのか?」とも考えます。
会社勤めの人間だったら、常識的に考えて同じフィールド=元の会社に居続けることはおそらく出来ない。
それどころか、普通の生活自体もはや送れないのでは?と。
ただひと言、芸能界は「甘い」。
そう感じます。