今の「はやり歌」は、発売日を計画的にずらして1位を仲良く1週ずつ獲得させるので、みんな「消耗品」になる
ヒット曲のリサーチ機関として最も権威がある、とされているオリコン(ORICON)。
毎週水曜日に音楽をはじめとして映像や本の売り上げをランキングで発表しています。
音楽=「歌」の分野だけでも、シングル・アルバム・カラオケ等、また最近はCDだけでなく配信・ダウンロードも含め、総合的に順位を取りまとめています。
種類が多すぎるので、私が定期的に見ているのはシングル部門だけですが、もう何年も前から、
「2週連続で1位を獲得する曲は、ほとんど皆無である」
という現実があります。
1年52週のうちのざっと9割は、AKBグループとジャニーズユニットが1位を「かっさらって」いきます。
最近は、米津玄師やあいみょんらが健闘していますが、なかなか彼らの「瞬間最大風速」にはかなわず、1位には届きません。
前者で現在活動しているのは、AKB・SKE・NMB・HKT・STU・乃木坂・欅坂・日向坂。
後者の「現役」は、V6や Kinki Kids がシングルを発表しなくなってきている中、嵐・関ジャニ∞・NEWS・Kis-My-Ft2・Hey Say Jump・Sexy Zone・ジャニーズWest・King & Princeらに世代交代してきています。
この2つの「組織」だけでも、15以上のユニットがあります。
シングルの発売サイクルはだいたい3か月に1曲(1年に3~4曲)ですから、トータルでおよそ50曲。
そのすべてのシングルが「仲良く」初登場1位の「花道」を獲得できるよう、事務所が「談合」して発売日がかぶらないようにしているのです。
52週しかない中で調整するのですから、大変です。
AKB48と乃木坂46と嵐の新曲が同じ週に発売されることは、決してないのです。
その結果、彼らの新曲はめでたく1位になる。
しかし、その曲が浸透する間もなく、次の週にはもう別の歌が1位になる。
2週以上1位をキープする曲は、まず現れない。
彼らのコアなファンでない「一般大衆」は、数値的には1位になったその曲に触れる時間さえないのです。
こうしたシステムは、今後も続くでしょう。
歌は、完全に「消耗品」化しています。
そういう「時代」なのですね。
(10年前AKB48がメジャーデビューした時、過去のアイドル同様寿命はせいぜい5年程度と見込んでいましたが、ここまでグループが持続するとは意外でした)
「国民誰もが知っている歌」は、残念ながらもう生まれることはなさそうです。