さえわたる 音楽・エンタメ日記

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「~しておられる」

日本語の敬語表現は非常に奥深いです。

これからも話題にするかもしれませんが、今日とりあげるのは、タイトルに挙げたこの表現です。

 

動詞を敬語表現にする時には、大まかに3つのパターンがあります。

ひとつ、「~れる」「~られる」。

ふたつ、「お~になる」。

みっつ、「~していらっしゃる」。

 

ただ、動詞によっては独特の言い回しがあり、上の例にそぐわないものもあります。

たとえば「言う」の敬語表現として、一般的には「おっしゃる」でしょう。

「お言いになる」とは使われません。

同様に「見る」も「お見になる」とは言わず「ご覧になる」が敬語表現になります。

 

それはともかく、敬語のつもりで「〇〇しておられる」と発言するケースを時々耳にして、そのたびに違和感を覚えています。

 

「おられる」の「お」は、「お世話になっております」や「〇〇しております」など、自分のことをへりくだる謙譲語の「おる」。

これに尊敬語の「~られる」を付けるのは、どうもちぐはぐな感じがするのです。

 

そして、この「おられる」は(偏見かもしれませんが)政治の場、あるいはある一定の年齢以上の男性からよく聞かれるような気がしています。

外面的には相手を敬うそぶりを見せながら、「自分の方が上だぞ」の潜在意識を持つ人が、この「おられる」発言の主なのでは?と思うのは、考えすぎでしょうか…?