さえわたる 音楽・エンタメ日記

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花に水を「あげ」ますか?

日本語の敬語表現は非常に奥深く、会社の新人研修カリキュラムに「敬語の使い方」が今さらのように組み込まれていたりして、ニンゲン20年もやっていればそんなものは当然、と思ったりもしますが、ダメなようです。

 

特に「謙譲語」と「尊敬語」のとっさの使い分けが出来ないみたいで、文章に書くのなら落ち着いて考えられるところが、会話や電話だと困るのでしょう。

 

謙譲語は、自分をへりくだって(下に置いて)相手を持ち上げることによって敬意を示す言い方。

「申し上げます」や「差し上げます」のように、文字通り「上げる」わけです。

 

そんな中、「花に水をあげる」という言い方をする人に時々出会います。

「犬にエサをあげる」も同様。

この場合は「水をやる」「エサをやる」が正しい(少なくとも一般的な)表現だと思うのですが。

かわいい花や犬に対する愛情から、「~をやる」という言い方は下品という発想があるのかもしれません。

そういう人は「この前、ウチの子どもにおもちゃを買ってあげました」なんて言うのかな?と。

 

ただ、犬や花がいくら愛しくても、人との会話の場でそれを謙譲表現の対象とするのはちょっと違う気もします。

なんでも「あげればいい」というものでもないです。

 

本来自分より下の立場ではあるはずの存在も持ち上げてしまうくらいだから、上の人間をどう扱うのか?

職場でお客さんとのコンタクトの際、かかってきた電話に「〇〇課長さんは席を外していらっしゃいます」なんて普通に言ってたりして。