【懐かしい歌No.86 ドラマ発。異色のジャニーズコンビヒット】「青春アミーゴ」修二と彰(2005)
この連載でジャニーズ系の楽曲を取り上げるのは非常に珍しいのですが、この曲は初めて聴いた時から、そのユニークさが耳に残っていました。
2005年、日本テレビ系で放送されていたドラマ「野ブタ。をプロデュース」で共演した
山下智久 (当時NEWS)
による期間限定ユニット
「修二と彰」
によるシングルです。
毎週1位の座が入れ替わるのが当たり前のオリコンチャートで、2週連続、通算では3週も1位の座を獲得。
ミリオンを達成した大ヒット曲となりました。
ドラマとは別に、歌番組で楽曲だけを聴いた時、ちょっと過去にタイムスリップしたような懐かしい、それでいて日本っぽくないテイストを同時に感じたのです。
1970年代・80年代には、タイトルに「青春」の2文字が非常に多く使われました。
しかし、21世紀に入ったこの時代に改めて「青春」が使われると、ノスタルジックな印象を超えて、「1周回った」新鮮さがありました。
制作陣を調べてみると、
作詞: zopp、作曲・編曲: Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson
とヨコ文字が並んでいます。
作詞者のzoppも、作曲・編曲に名前の挙がっているShusuiも、実はれっきとした日本人です。
しかし、その次にある楽曲制作陣はスウェーデン人チーム。
そのあたりが、ユニークさとして「響いた」のかもしれません。
スウェーデン人が関わっていながら、タイトルの「アミーゴ(Amigo=友だち)」も、サビの冒頭に出てくる「Si(=イエス)」もスペイン語。
スペイン語がJ-POP作品の歌詞に、たとえ単語レベルでも使われるのは、非常に珍しいケースです。
この曲を聴くと、メロディーが先に用意されて、そこにあとから歌詞をはめ込む「メロ先」スタイルと察せられます。
サビ頭に突出している「音符1個」に対して、どんな言葉を当てはめるか?
日本語の「あぁ!」でも歌える。
英語の「Yeah!」「Oh1」などでもOK。
しかし、それではありきたりでインパクトに欠ける。
そこで、
スペイン語でYesを意味する「Si!」を持ってきた。
ここに、詞の上での大きな特徴があります。
ドラマのコンセプトとして「アウトローな二人の友情」があって、それがタイトルの「アミーゴ」につながったのかもしれません。
メロディーラインも特徴的です。
抑え気味のAメロ~Bメロから、「Si!」からのサビで一気に賑やかさが増しています。
バックのサウンドが増えている効果もあります。
同時に、サビ突入時にさりげなくキーが「+1」になっているのです。
これが「効いて」います。
さらにリフレインでは、このサビがさらに「+2」にキーアップしています。
エンディングでキーを上げるのはよくある作曲技法ですが、ハーモニーとの相性などを考慮して「+1」にする場合が多いのです。
そこをあえて「+2」にした・・・
これも、効果的な演出のひとつになっています。