さえわたる 音楽・エンタメ日記

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【働き方改革】残業や休日出勤は「避けたい」人の一方、「やりたい」人もいる。その心理は?

政府の掲げる働き方改革

今さらですが、カンタンに整理すれば、将来の人口減少⇒労働力不足に対応して

  • 労働市場に参加していない女性や高齢者の就労を促す
  • 出生率を上昇させて、将来の労働力を増やす
  • 1人あたり・1時間当たりの労働生産性を上昇させる

ことが骨子になっています。

 

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一方、課題として

が挙げられています。

 

政府のお題目はともかくとして、働く者として一番身近な問題は、

残業や休日出勤といった「長時間労働」がなんとかならないのか?

の部分ではないか、と思います。

 

「9時5時」などという言葉は、有名無実の絵空事

そもそも、5時に終わる仕事など、どのくらいあるのでしょうか?

定時に退社するなど、ありえない。

コンビニの名前ではなく、労働時間として「セブン~イレブン」と例えられるように、早朝出勤・残業は当たり前。

土日出勤も珍しくない。

職種によっては、曜日さえも関係ない。

むしろ、それが実態なのではないでしょうか?

 

昨今は「在宅勤務」なる新しい形態も生まれました。

通勤時間が不要になって一見便利そうですが、反面「勤務時間の適切な管理」「評価のあり方」「公私のバランスの維持」など、別の問題も浮上してきそうです。

 

法律で長時間労働を規制しようとしたり、各企業レベルで時短への取り組みを推進したりしても、目に見える効果につながっているようには思えません。

従業員のカラダとココロに深刻な影響を及ぼし、過労死問題も深刻化しています。

 

そういえば、「プレミアムフライデー」などという言葉も、最近はすっかり聞かれなくなりました。

はなから、非現実的な話だったのだと思います。

そんな制度を現在実際に導入している企業は、果たして何パーセントあるのでしょう?

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こうした課題が解決に向かわない背景。

 

良く言えば日本人特有の「勤勉さ」、逆に言えば高度経済成長期の、言葉としては死語になっても価値観として根強く残っている「モーレツ社員」志向があるとの論調があります。

 

つまり

「睡眠時間を削ってまで長時間働くことこそが美徳で、超多忙であることこそが理想的な姿である」

という考え方。

 

残業や休日出勤を「避けたい」ものではなく、むしろ進んで「やりたい」と捉える人種の存在が確実にあります。

 

定時より長く働けば、その分「残業手当」や「休日出勤手当」が支給されます。

そのおカネ目当てに、すぐ終わりそうな仕事をあえてダラダラと進め、労働時間を引き延ばして、他のチームメンバーの足を引っ張っているとしか思えないケースもよく見かけます。

おカネ以外の「やりがい」「働きがい」、ひいては「生きがい」の分野まで波及しそうな問題です。

 

真の実態はどれなのでしょう?

  • 「時間をいとわず働くことを真に生きがい、と思い働いている」のか?
  • 「生活が厳しく、残業・休出手当に依存して働かなければならない状況」なのか?
  • 「本当は定時に帰って、ワークライフバランスを重視して、仕事以外の時間も充実させたいのに、会社や周囲の都合で結果的に長時間労働を余儀なくされている」のか?

どれか一つ、という正解はないのだと思います。

 

生きるために働く=働くのは生活するおカネを稼ぐための手段

働くために生きる=働くのは人生を実りあるものにする目的

問題の回答は永遠に出せそうにありません。

 

もちろん、白黒クリアにして論じることなど出来ません。

生きていくために、働かなければならないのは当然のこと。

 

しかし、働くことを「絶対目的」視して、

「働くこと(仕事)だけが人生」

「働くことこそが人生の美徳」

とする価値観にはどうしても馴染めない自分がいます。