全都道府県旅行記~青森県その2
出発後、高崎あたりまでは車窓を流れる夜の景色を堪能していましたが、いつしか眠りに落ち…。
翌朝目覚めたのは奥羽本線、山形県と秋田県の県境あたりでした。
この時点ですでに辺りは一面の雪景色。
朝9時過ぎに降り立った終着駅・青森も、冷たい雪の中でした。
駅前には、あの「津軽海峡・冬景色」の歌碑が建っています。
その後、青函連絡船の記念館を見学、駅前を若干散策して、その次の目的地&宿泊地、弘前へ列車で小1時間移動しました。
私自身「鉄道」と並ぶ旅の目的である「お城」。
そう、弘前城をぜひ見てみたかったのです。
駅からはバスで20分ほど。
毎年ゴールデンウイーク前後に桜が満開を迎えるので有名な弘前城。
この時は真冬だったため、残念ながらその風景を眺めることは出来ませんでしたが、雪景色のお城も趣があってなかなか良いものでした。
お城の近所には「ねぷた記念館」もあり、ここで実物のねぷたを初めて見ることが出来たのも感動でした。
場内は少し暗くなっていて、ねぷたの中にちゃんと灯りがともされているのもまた印象的です。
ちなみに、県の東部・下北地方では「ねぶた」、西部の津軽地方では「ねぷた」と呼び方が異なることも、この時初めて知りました。
翌朝は秋田県に渡る計画でした。
本来ならそのまま奥羽本線を南下すれば良いところですが、あえて弘前からまた北に逆戻りするコースをとりました。
それは、専用のお座敷列車まで走るほどの、日本海の絶景が眺められるというローカル線、「五能線」に乗ってみたかったからです。
五所川原から秋田県能代まで行く「五能線」の名の通り、まずは五所川原まで移動。
進行方向に向かい右側の席をしっかり確保。
この方向に一面の日本海を望むことが出来るのです。
大荒れの真冬の海に雪が降る光景。
ほかに何もない、どこまでも空と海だけが広がる光景。
何時間見ていても飽きるものではありません。
ふだんの通勤では、1分の遅れでも焦ってヤキモキするのに、途中乗り降りのない無人駅に各駅停車してゆっくり走るスローペースが、むしろ心地良い。
(つづく)