日テレ「24時間テレビ」本当に9月に「強行」するのか?TBS「オールスター感謝祭」に続き、フジ「27時間テレビ」も苦渋?の決断
先日、今年の「紅白」の展望について記事を載せました。
「今から大晦日の記事なんて、いささかフライング気味ではないか?」と思って書いたら、先週スポーツ新聞で1面まるまる使って「紅白」が大きく報じられていました。
(「本業」のスポーツ記事が書けなくて、紙面構成にかなり苦慮しているようです)
「マスコミと同じノリで、けっこうグッドタイミングだったのかも?」と心の中で思わず叫んでしまいました。
この記事に関しては、「レギュラー読者」以外の方からの「ホンネコメント」も届きました。
総合すると、
「ステージは司会者のみ」(=NHKホールではなく、局のスタジオ)
「歌は事前収録と、これまでも多用されてきた中継などのミックスで」
「ホールの観客席は使用しない」
など。
「まったく違ったスタイルながら、『紅白』の名前は絶やさずにオンエアを目指すのではないか?」との意見が大勢でした。
さて、社会的インパクトは「紅白」とは比べようもありませんが、民放各局にも「年に1、2度」の「お祭り的」番組が存在します。
まずは、
TBS系の「オールスター感謝祭」。
毎年、番組改編期の4月・10月の土曜日夜にオンエア。
5時間近くに及ぶ長時間の生放送で、スタジオに同局バラエティー番組やそのクールのドラマの出演者何百人が集まり、クイズやカラダを張ったチャレンジを行うのが主な内容です。
放送時間のほぼ真ん中の午後9時台に、TBSのある赤坂周辺を舞台にした「ミニマラソン」が行われるのがひとつの「目玉企画」でもあります。
毎回熱心に観ているわけではありませんが、そこの部分だけ時々チャンネルを合わせたりしていました。
1991年の放送開始から30年を誇る「年中行事」としてすっかり定着していた感がありました。
しかし、狭いスタジオに大勢のゲストを集めるなど出来るはずもなく、4月放送分は「あっさり」中止となりました。
このままだと、10月のオンエアも危ぶまれます。
これよりスケールが大きいと思われるのが、
日テレ系「24時間テレビ~愛は地球を救う」。
こちらの歴史はもっと古く、放送開始は1978年。
今さら内容をレビューする必要もないと思われますが…
出演者たちが放送1週間も前からお揃いのTシャツを身に付け、日本武道館に何千人もの観客を収容して、毎年「地球愛にまつわるサブテーマ」を設定。
途中ドラマや各地の中継等も随時はさみながら、ドラマチックな場面をドキュメンタリーとして演出していく。
そして「最大の企画」は、毎年「旬」(?)のゲストを選出しての「24時間マラソン」。
ラスト1時間は、ZARD「負けないで」をひたすら歌い続けながらランナーを応援。
そして、ランナーが会場に到着しそうになると、
♬「さくら~ふぶきの~」の「サライ」の合唱で、大団円のフィナーレを迎える…
これらが「ルーティン」となっています。
個人的には(番組ファンの方々には申し訳ないことですが)
この番組に対しては、基本的に「アンチ」派です。
もちろん「24時間まるまる」番組に付き合う時間など、物理的にありません。
障がいを持つ方を登場させて、彼らに果敢な(無謀な?)挑戦を求めるコーナーを随所に設けるなどして、「応援」を促すシーンがひたすら前面に押し出されている。
「人間なら、これを見て感動するのが当然!」と言わんばかりに、心情的に批判の余地を与えないようなスタンスが見え隠れするところが、番組制作手法として姑息な手段に思えてしまうのです。
「感動の押し売り」「偽善者」といった言葉が、毎回ネットを賑わせる所以でもあります。
「24時間マラソン」
にも、いろいろな議論が渦巻いています。
「大前提」として、「走る必要があるのか?」
そう言ってしまうと、身も蓋もないのですが。
100キロを本当に走っているのかどうか?
放送中、常に画面の片隅にワイプでも設定して流していれば、曲がりなりにも走っている様子がわかるので信用出来るのですが…
「途中ワープ」疑惑は、常に取り沙汰されます。
ゴール直後、「100キロを走り切ったとはとても信じられないほど、平然とした表情」でインタビューに応じることの出来るランナーのなんと多いことか!
ほとんど毎回、番組終了数分前の「絶妙なタイミング」でランナーが会場の武道館に到着するのも不思議です。
あまり積極的には公表されていないものの、その年のランナーによって走る距離は微妙に「調整」されている様子。
だとしても、生放送でこれだけゴール時刻がピッタリ合うのはあまりに出来過ぎです。
昨年同様、今年も「リレー方式」が採用される様子ですが、「タイミング問題」は依然残ります。
マラソンをはじめとする各コーナーの企画云々もさることながら、ここ数年「最も大事な原点」の影が薄くなっているように思えるのです。
もともとこの番組は、「恵まれない人に募金を」との趣旨で始まった「チャリティー番組」だったはず。
一般の人が募金のため行列を作る姿が画面に何度となく映し出され、最後に募金総額が発表されるのが、大きなハイライトでもありました。
「チャリティー」を謳うなら、なぜ出演者に高額のギャラが支払われるのか?
素朴かつ根本的な大疑問です。
本当に当初の趣旨を守って放送が継続されているなら、番組への見方も少し変わってくるところなのですが…
こちらは、例年であれば8月の最終週の土日を使って放送されている番組。
オンエアまでおよそ3か月。
日本テレビからは「9月5日、6日を予定」との報道も出ているようです。
しかし、いつもならすでに「マラソンランナー」が発表され、事前PRが盛んに展開されている時期。
プロのランナーでもない「一般芸能人」が本当に走るなら、本業の合間に走れるようになるためのトレーニングをするのには、あまりに短い準備期間です。
東京が仮にあっという間に「ステップ3」までをクリアできたとしても、この短期間で通常の放送スタイルをキープすることは、かなり難しいでしょう。
「無観客開催」では、コンセプトが根底から崩れてしまいます。
「障がい者主役のチャレンジロケ」も困難。
「感動ドラマ!の収録」もスケジューリングされているようですが、不透明。
テレビ局として、この番組に関してどの程度の収支決算を見込んでいるのかは知る由もありませんが、いち視聴者としては、普通に土日のレギュラー番組をオンエアしてもらってまったく問題ないと感じています。
そして、(私が知ったのは昨日の早朝)
フジテレビ系「27時間テレビ」が、放送開始34年目にして初の「中止」を発表しました。
もともと1987年にフジ開局30周年特番として企画され、スタート当初は全国の系列局を巻き込んだ「FNS一億人のテレビ夢列島」というタイトルの24時間放送でした。
1997年以降は、日テレの「24時間」を上回る「27時間放送」スタイルに。
毎年テーマを決めてぶっ通しで放送。
各局からの中継や生放送で盛り上げる手法は、「24時間テレビ」と大同小異です。
ただ、フジテレビらしく(?)、良し悪しは別として番組全体が「バラエティーに徹していた」ようには思えます。
そもそも、「ライバルの日テレが長時間番組をやるのなら、ウチも何らかの形でやらなければ」の「後追い的雰囲気」で始まったような感覚がありました。
後発局としては、「同じ24時間」では目立たないので、放送時間も27時間に延長したような…
放送時期も例年「24時間テレビ」より2~3週間先行して、7月下旬から8月上旬だったような印象があります。
今年も8月中旬の放送を予定していましたが、初の放送中止となりました。
私は「英断」だと思います。
フジによれば、放送半年前から諸準備を進めてきたとのこと。
当然日テレ「24時間テレビ」とて、準備に同等の期間が求められていることでしょう。
個人的な印象ですが、フジテレビにとっての「27時間テレビ」より、日本テレビにとっての「24時間テレビ」の「看板番組」としてのウエイトは大きいような気がするのです。
社長曰く、「チャリティーとしての社会的使命がある」のだそうです。
コメントを全面否定はしませんが、お金の流れを含むもっと大きな要因が影響していることは自明の理。
がゆえに、オンエア中止に踏み切ることはどうしても出来ないのかな?と。
いずれにせよ、
放送スタイルの変更によって、従来番組を支えて来た「生放送の迫力」が発揮できなくなるのは、致命的だと感じます。
特に「番組の代名詞」とも言えるマラソンは、どのような形で「強行」するのでしょう??
熱心に観ているわけでもないのに、やはり気になります。