【懐かしい歌No.36】「また君に恋してる」ビリー・バンバン(2007)
この「また君に恋してる」。
坂本冬美が2009年、それまでのド演歌路線からイメージチェンジして発売した歌としてご存知の方が多いと思います。
彼女自身のシングルで自己最高位を記録するヒットとなりました。
しかし、実はカバー曲。
オリジナルは、2007年に菅原孝・進の兄弟デュオ、ビリー・バンバンがシングルとして発売していました。
三和酒類の焼酎「いいちこ」のCMソングに、彼らの楽曲が数多く起用されています。
この曲も、その一環として発売されたものでした。
彼らの音楽活動の歴史はもっとずっと古く、もう50年以上前の1969年に遡ります。
フォークタッチの3連バラードのデビュー曲「白いブランコ」が大ヒット。
その3年後、1972年にもドラマ主題歌「さよならをするために」がヒットし、代表作として知られていました。
80年代90年代は、あまり目立った活動がありませんでした。
しかし、21世紀になって再びCMソングとして彼らの楽曲が流れるようになって以来、懐かしさとメロディーの美しさで、肝心の商品は忘れても(!)歌は忘れない…そんな存在になりました。
現在もCMソングは健在。
最新のCMでは、バックに彼らの最新シングル「さよなら涙」が流れています。
「また君に恋してる」に関しては、結果的にあとからリリースした坂本冬美にヒットを「持っていかれた」ような形になってしまいましたが、それはそれとして、オリジナルバージョンはまた別の味わいがあって素晴らしいです。
何と言っても、デュオで歌っていますから「ハモり」がある。
これが大きな特徴です。
さすが兄弟ゆえに、意気もピッタリです。
両者のシングルは、アレンジが微妙に異なりますが、元々曲がシンプルな8ビート。
ギターのアルペジオが、じんわりとフィットします。
カラオケで歌う時は、ビリーバンバンのバージョンを選びます。
実はこの「カバー劇」には続きがあって…
この作品の次のシングルとして「ずっとあなたが好きでした」という楽曲が発売されているのですが、今度は「ビリー・バンバンが発売したシングルを坂本冬美がカバーする」逆のパターンがとられています。
事実、再び2組が同じ歌を歌っています。
しかし、そこに「二匹目のドジョウ」はいませんでした。
今どきにはちょっと珍しい3拍子の曲でしたが、制作陣が同じために曲調自体にはさほど目新しさは感じられませんでした。