さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

名称だけは今も健在の「両A面シングル」。サブの方が注目されるケースも

好きな歌を繰り返し聴こうと思った時、現在ではもっぱら配信からのゲットがメインで、一応CDも生き残っている状況、でしょうか。

 

配信で確かに音源は手に入りますが、私の感覚だと、形のある「モノ」として手元に残らないと、個人的には何か不安が残ります。

自作にせよ買ったものにせよ、CDが棚に並んでいて初めて、自分のモノであると実感できるのです。

趣向を凝らしたジャケットにも愛着が湧く場合が多いです。

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そのシングル盤のCD。

音源が「黒いレコード」だった頃の名残りで、今でも

「A面」

という呼び方が残っています。

 

レコード時代のシングル盤は、表と裏にそれぞれ1曲ずつが収録されていました。

メインとして売り出していこうとする曲が「表側」のA面、サブが「裏側」のB面でした。

 

CDになってから「オモテ・ウラ」の概念がなくなり、再生はオモテ面だけになりましたが、シングル盤には依然として通常2曲が収録されました。

最初に再生されるのが、メイン曲であるかつてのA面曲。

2曲目にあるのがかつてのB面曲です。

ところが、CDには裏面がないのでB面という言葉はなくなり、「カップリング曲」と呼ばれるようになりました。

レコードからCDに媒体が変わっても、収録される2曲にはメインとサブの区別があることになります。

 

ところが、時に

「両A面」

という呼び名が使われることがあります。

すでに「A面」「B面」という実体がないのですが、「A面」という言葉だけがまだ残っています。

つまり、収録されている2曲を同等に扱うという考えです。

 

ドラマやCMのタイアップがつくなどして、どちらもヒットの期待があり、両方同等にプッシュしたい場合に使われるようです。

しかし、あくまでセールス側の都合で両A面と呼ばれるだけのこと。

 

現に、CDジャケットに2曲を表記する場合でも、タイトルを読み上げる場合でも、必ずどちらかが先に呼ばれることになるわけで、結果的に「順序」が出てきてしまいます。

結局、どちらかの曲がメインになる、という構造に変わりはありません。

事実、これまで数多くの両A面シングルが発売されてきましたが、両方ともヒットしたと思える作品にはあまりお目にかかった記憶がありません。

 

両A面であることがわかるのは、オリコンやテレビのヒットチャート上で、両A面シングルに限って「〇〇/〇〇」とタイトルにスラッシュが付けられて2曲が並記されている時です。

聴く側は、両A面であることをそれほど意識していないのでは?と思います。

 

ただ、かつての「B面」扱いであるカップリングであっても、両A面の2曲目(サブ)であっても、どこで注目されてヒットに結びつくかは時の運。

 

以前、レコードのB面だった曲がヒットしたケースを取り上げました。

saewataru.hatenablog.com

 

カップリング曲でも、

Dreams Come True「未来予想図Ⅱ」

プリンセスプリンセス「M」

松田聖子Sweet Memories

など、A面の曲と肩を並べるくらいの代表作にまで成長した曲がたくさんあります。