【番組紹介】終わってしまうのか?珍道中~太川・蛭子の旅バラ
テレビ東京の看板番組のひとつであった、太川陽介と蛭子能収による
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズ。
全国放送ではなさそうなので、概要に触れておきますと…
3泊4日の行程で、決められた地点まで路線バスだけを乗り継いでゴールを目指すという、きわめて単純なコンセプト。
毎回異なる女性タレントを「マドンナ」として迎えて、3人旅を行うものでした。
乗り換えバスがつながるか?だけがポイントのこの番組。
スタートした2007年の時点では単発企画だったようですが、数ある旅番組の中で奇抜なアイディアが受けてシリーズ化され、その後10年間にわたり、年に2~3回のペースで放映されました。
第25弾までいったところで終了し、メンバーを俳優・田中要次と作家・羽田圭介に交代して番組は続行していましたが、いつの間にか立ち消えに。
太川・蛭子の「名コンビ」復活の要望を受けて、今年5月「旅バラ」の名前で初代メンバーが復活し、その後ほぼ月1回のペースで放送されていました。
以前は、移動は路線バスのみで、バスがつながらない区間は歩いて移動するなど、かなり過酷なルールでした。
しかし最近は、オンエアスケジュールの関係か1泊2日程度の小旅行になったり、バスだけでなく鉄道旅が取り入れられたり、蛭子サンの年齢を考慮してか、1万円までを限度に徒歩区間のタクシー利用が認められたり、等々、ルールがやや変更されていました。
ネットを使えば、ルート検索など簡単に行える時代です。
しかし、番組ルールではネットによるルートや宿などの情報収集は禁止。
地図や時刻表・案内所や地元の人からの聞き込み情報を元にルートを決めることになっています。
テレビ番組ですから、どこまでがガチでどこからがヤラセか、の要素はもちろんあると思います。
でもそんな中、リーダーとして真剣にルート探しをする太川と、あくまでマイペースな蛭子の「台本のないやりとり」こそがこの番組の醍醐味。
マドンナ役が「使える」タレントだとコミュニケーションが三つ巴になって、一層面白くなります。
それこそが、コンビ復活につながったのだと思います。
肩ひじ張らない旅のリラックス感と、「果たしてゴールできるのか」という適度な緊張感を持ち合わせた、独特な旅番組でした。
「~でした」と過去形で語っているように、テレビ東京の人気番組のひとつにまで成長したこのシリーズ、残念ながら来週の25日放送分で「2度目の終了」になるようです。
背景には、蛭子サンの年齢的・体力的要因もあるようですが、ロケが手抜きなしで、途中本当はクルマに乗ったのに、歩いたように見せかけるような「やらせ」は本当に行わなかった…
そんな「ガチ」さがあったから、とも言われています。
さすがに「3度目の正直」はないのかな?と考えると、ちょっと寂しい気もします。
今年還暦を迎えてなお若々しい太川陽介。
芸名は「太陽」をもじって付けられたものです。
10代の頃は、バリバリのアイドルとして活動していました。
代表作である3枚目のシングル「Lui Lui」(1977)の動画が残っていました。
この時は、40年後に路線バスの旅をすることになろうとは、夢にも思っていなかったことでしょう。