さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【懐かしい歌No.20】「My Better Life」尾崎紀世彦

1970年にデビュー。

その翌年、1971年に「また逢う日まで」がリリースされます。

 

日本人離れしたルックスと(実際イギリス系クォーター)圧倒的な歌唱力も追い風となり、世の中に知らぬ人はいないほどの「本当の」国民的大ヒットとなりました。

冒頭のキャッチ―なイントロ「タッタッタラ~ララッ!」の1小節を聞いただけで、みなあの曲だとわかる、それほどの流行り方でした。

そして、その年の日本歌謡大賞レコード大賞をダブル受賞。

 

当時は「賞レース」という言葉も健在で、年末の各歌謡賞にはまだ権威がありました。

そんな大きな賞を獲得すると、歌手は(新人賞も含め)感激のあまり涙を流し、声が詰まって歌えなくなる…

それがニッポン人的なお決まりのシーンでした。

ところが彼は、レコード大賞受賞が決まると、両手でVサイン。

さらにトロフィーを持ち上げて、満面の笑顔。

そのパフォーマンスは、今もテレビで流れる名シーンのひとつとなっています。

彼の存在、そしてこの楽曲が、ニッポンの流行歌史に新しい時代の風を吹き込んだと思わせられる、そんな瞬間でした。

 

そんなキーヨが8年後の1979年秋に発売したのが、この「My Better Life」。

また逢う日まで」のダイナミックさ・張り上げる歌唱を抑えて、男性らしく低音を効かせたまったく違う歌い方を見せています。

冬に向かう季節の「ぬくもり」をテーマに、どこまでもソフトに歌い上げています。

(三菱ビーバーエアコンのCMソングにも起用されていました)

1番の途中「それさえ僕は忘れていた」の部分で軽く笑顔を見せながら歌う姿は、彼にしては極めて珍しいことで、聴いていてもココロが温かくなります。

 

また逢う日まで」は「別格」として、「隠れた名曲」はと尋ねられたら、迷わずこの曲を選びます。

楽譜上は、「ドレミファソラシド」だけでない半音フラットが随所に施され、正確に音をとるのが難しいメロディーラインなのですが、そこがまたこの曲の魅力でもあります。

「原曲キー」を動かさずに心地良く歌える、数少ない曲のひとつでもあります。

 

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