【懐かしい歌No.15】「誰もいない海」越路吹雪
元宝塚の男役トップスター、「コーちゃん」こと越路吹雪。
退団後はシャンソンを中心に、歌手として活躍。
私は特に熱狂的なタカラヅカファンではありませんが、代表曲「愛の讃歌」「サン・トワ・マミー」「ろくでなし」「ラストダンスは私に」などは、私の中では単なる「流行歌」を超えたスタンダードナンバーとして、愛唱歌になっています。
特に「愛の讃歌」は、その後も多くの歌手によって歌われていますから、ご存知の方も多いかもしれません。
1980年に亡くなってからすでに40年近く。
越路吹雪というスターが存在したこと自体、すでに遠い記憶になっているのかもしれません。
しかし、さすがタカラヅカで鍛えられたエンターテイナー。
ステージでの歌唱力・表現力はもちろんのこと、歌の合間で聞かせるMCぶりもユーモアたっぷりで、卓越したものがあったことは忘れられません。
時代を超え、発売から半世紀近く経った今も、秋の初めにはよく聴かれることの多い「誰もいない海」。
トワ・エ・モワバージョンの方が世間的にはよく知られているかもしれません。
彼らのさわやかな歌唱とハーモニーが魅力的なナンバーで、それも好きではあるのですが、個人的にはコーちゃんのヴォーカルの深い味わいに魅せられます。
トワ・エ・モワはギター片手に歌えそうなフォークタッチの8ビートですが、越路吹雪は3連のバラードのバックアレンジに乗せて、情感たっぷりに歌っています。
彼女のように、演歌ではないジャンルで「オトナの歌」を歌える歌い手がなかなか見当たらないのが、実に寂しいです。
(スマホで再生できない場合は、下のリンクのステージ歌唱版からお聴き下さい)