【番組紹介】伝説のヒット曲ランキング番組「ザ・ベストテン」
物心つく以前から、ヒット曲のランキングを発表する番組は数々ありました。
記憶の中で最も古いものとして、フジテレビ系「今週のヒット速報」という番組がありますが、詳しい内容は覚えていません。
70年代に入ると、現在のテレ朝系で「ベスト30歌謡曲」が誕生しました。
スタジオに観客を入れての生放送で、文字通りその週の30位までを紹介。
そのうち何人かの歌手が登場し歌を披露するスタイルだったと思います。
そんな中、このジャンルの番組で最も印象深く残っているのが、昭和の最後10年間、70年代80年代を彩ったTBS系「ザ・ベストテン」です。
毎週スタジオからの生放送で、原則としてベストテンに入った歌手をスタジオに呼んで生歌を披露する。
時にスタジオ入りできず中継先からの歌唱であったり、時間の調整がつかず曲名の紹介だけで歌われないこともありましたが、毎回歌手のスケジュールを押さえる苦労は相当なものだったと思います。
また、当時は現在のように毎週毎週1位の座が入れ替わる目まぐるしいヒットチャートではなく、同じ歌が1位を何週間もキープしたり(最長は寺尾聡「ルビーの指環」がなんと12週連続)、ベストテン圏内に2か月3か月と長くとどまる曲も少なくありませんでしたから、その分1つの歌が心に深く刻まれるのでした。
ちなみに、放送第1回目の1位は、ピンクレディー「UFO」でした。
スタジオに観客を入れない分、セット作りはかなり凝ったものが用意されていて、時に意味不明の演出もあったものの、生放送の限られた時間の中であれだけの準備が行われることに驚き、感動しながら見ていたのを覚えています。
中継先でも、生放送ならではのさまざまなハプニングがありましたが、それもひとつの楽しみでありました。
黒柳徹子と久米宏(その後数名の交代あり)の絶妙のコンビMCと出演歌手のやりとりも、歌い手の人柄が垣間見られて興味深かった。
今でも「Mステ」や「うたコン」など定期的に放送されている歌番組はありますし、土曜深夜の「CDTV」は若干形を変えながらも20年以上ランキング発表を続けていますが、歌番組が全盛であった時代の代表として、この「ザ・ベストテン」は忘れられない存在です。