「東京の地下鉄」同じ駅名でも乗り換えが大変なケース、違う駅名でも乗り換えができるケース
東京メトロで9つ、都営地下鉄で4つ、計13もの路線が走っている東京の地下鉄。
その多くが、JRや山手線の中に入れない私鉄各線と相互乗り入れを行っていることもあり、ただでさえ網の目のような東京メトロネットワークは、世界レベル。
慣れていない人間にとっては、まさに「迷路のごとし」かもしれません。
なにせ狭いエリアに13路線が入り乱れているので、たいていの駅はほかの路線との乗換駅にもなっています。
どの駅で乗り換えるかは、けっこう大きなポイントです。
ただ、同じ駅名だからカンタンに乗り換えが出来ると思っていると、想定以上に時間と労力がかかってエライ目に遭ったりもします。
たとえば、最多の5路線が集中する大手町駅。
いずれも同じ駅名を掲げていますが、互いのホームはヘタをするとひと駅分ぐらい歩かなければならないほど離れていて、知らないと騙されたような気分になってしまいます。
一方、半蔵門線と都営三田線で乗り換える場合は、大手町駅ではなく隣の神保町駅で乗り換える方がラク。
ネットの「路線検索」だけではフォローしきれないプチ知識も重要だったりします。
「水平方向の移動」に負けず劣らず、「垂直方向の移動」も、けっこう深刻です。
日本で最初に開通した銀座線をはじめ、丸ノ内線・日比谷線・東西線あたりまでの「古参」路線は、地下の比較的浅いところを走っているので、たとえば銀座駅における銀座線から日比谷線への乗り換えは比較的スムーズです。
ところが、新しく開通した路線は、地下の相当深いところを走っています。
たとえば六本木駅は、長らく日比谷線のみの駅でしたが、都営大江戸線の開通によって乗り換え駅になりました。
しかし、両者は地理的にもやや距離がある上に、その「深さ」がまったく違う。
同じ地下でも、おそらく地下2階と地下6~7階ぐらいの差があります。
最近エスカレーターやエレベーターが充実してきているとは言え、決して軽い乗り換えではありません。
また、近年再開発真っ只中の渋谷駅。
東横線が副都心線とつながって地下5階レベルに移動し、同じ渋谷駅でありながら地上2階にある京王井の頭線渋谷駅まで徒歩10分以上かかる事態となってしまいました。
エスカレーターに乗って地下通路を歩いて、またエスカレーターに乗って地上に出て、さらにエスカレーター…
もはや乗り換えとは呼べない大移動です。
現在工事中の銀座線ホームが移設を完了したら、少しは便利になるのでしょうか。
さらに厄介なのが、「違う駅名なのに乗り換えが出来る駅がたくさんある」件です。
赤坂見附と永田町、有楽町と日比谷、原宿と明治神宮前などは、駅名は違っても乗り換え駅となっています。
こうした「2駅間」でもややこしいのに、淡路町と小川町と新御茶ノ水なんて「3駅間乗り換えOK」のケースもあって、知っていないと乗りこなすのにひと苦労です。
大阪にも名古屋にも地下鉄路線が複数ありますが、東京は次元の異なる複雑さです。