さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

「かける」と「あてる」の違いはわかったが、「なおす」は…

前にもお話ししましたが、私の社会人生活は関東・関西がほぼ半々で現在に至っています。

学校を出るまで、小学生時代の東北在住を除いては東京暮らし。

関西には遊びには行ったことがあったけれど、実際に住むのは仕事で転勤して、が初めてでした。

社会人のスタートが大阪で、その時初めて親元を離れて会社の寮住まいを経験したため、生活する土地の違いと環境変化が一挙に訪れて、非常に刺激的だったのを覚えています。

 

東京人だった自分にとって一番のインパクトは、やはり「関西弁」でした。

「同じ釜の飯を食った」寮の同期仲間たちも、半数以上は関西出身者でしたし、職場も「地元・大阪」が優勢で、言葉の点で慣れようと思っても、一朝一夕にはいきません。

 

その地に染まって関西弁っぽくしゃべろうとしても、地元の人からはかえって不自然に思われるので、自分はずっと東京弁のまま過ごしました。

もちろん同じ「日本語」なので、話が通じないことはないのですが、その中でイントネーションの違いにとどまらず「同じ行為に関して違う動詞を使う」ケースに遭遇しました。

それが、タイトルに挙げた言葉です。

 

関東では、美容院でパーマを「かける」。

また、アイロンも「かける」。

ところが関西では、パーマもアイロンも「あてる」と言います。

これは目的語の名詞がはっきりしているので、「あぁ、言葉が違うだけなんだ」とすぐ理解できたのですが、最初わからなくて焦ってしまったのが、「なおす」という動詞です。

 

ある日の職場でのこと。

「〇〇くん(私のこと)、ちょっとこのファイル、なおしといてくれへんかな?」と言われました。

私のアタマの中には、「なおす」は「直す=修繕する」の意味しかありません。

ファイルを受け取ってみると、見たところ別に「直し」が必要な破損個所はありません。

とっさに「え?どこを直すんですか?」と尋ねてしまいました。

その後のやりとりで、関西では「いったん出したものを元の場所に戻す、しまう」ことを「なおす」と呼ぶことがわかったのでした。

 

ほかの地方の言葉では、もっともっといろいろな表現がきっとあるのでしょうね。