さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

「普通に」おいしい?

昨日の「〇〇すぎる」の延長です。

文字で示すと「普通に」ではなく、むしろ「フツーに」の方が近いでしょう。

 

バラエティー番組での食レポでは「フツーにおいしい」が蔓延、街角インタビューでも一般人が「フツーにかわいい」が連発しています。

 

文脈からすると、おそらく「おいしい」「かわいい」といった形容表現を修飾する、つまり何らかの強調をするために使われているものと思われます。

その意味では、「非常に」の意味合いなのでしょうか?

それなら、今はやり(もはや定着?)の「めっちゃ」を使ってもよさそうです。

 

「うわぁ、これ、めっちゃカワイイ!」

「うん、これ、フツーにおいしい!」

私はどちらの言葉も使わない(使いたくない)ので、それぞれどういうニュアンスがあって、どう使い分けているのかがわかりません。

 

普通、すなわち「標準的に」という意味なのでしょうか?

とすると、「フツーにおいしい」のは「めっちゃおいしい」「すっげぇおいしい」よりレベルが低い「そこそこおいしい」くらいのおいしさになりますが、それだとあえて「フツーに」を付ける意味がありません。

「食べる前からおいしそうと思ってたけど、予想した通りおいしかった」時に使うのでしょうか?

それとも「当初の想定以上に」おいしかったのでしょうか?

 

以前「ヤバい」を取り上げた際は、本来使われるべきでない状況での用法に「日本語の乱れ」を感じましたが、この「フツーに」は、「どんな風に」を自分なりの言葉で繊細に表現できることが出来なくなっている、「語彙」そのものの変貌(=低下)を感じます。