上司と部下、どちらが先に帰るか
会社勤めでポイントとなるのは、仕事そのものもさることながら、人間関係の影響が大きい気がします。
ストレスの要因として、「仕事が覚えられない・難しい」もあるでしょうが、「周囲の人たちとうまくやっていけない」の方が、ある意味深刻かもしれません。
自分自身、実感することでもあります。
職場は多かれ少なかれ「組織・チーム」で動いています。
そこにはおのずから「上下関係」が存在します。
部下は自分を認めてもらい明るい将来を築くために、上司の動向を常に気にしなければならない。
上司も同様に、自分のさらに上司からの評価を気にし、かつリーダーとして部下をまとめなければならない板挟みがある。
それぞれの立場で「周囲を意識」し続けます。
そんな中、人間関係にからんで身近な問題として発生するのが、「上司と部下、どちらが先に退社するのか?」という点です。
もちろん、日によって急ぎの仕事が入っていて物理的に早く帰れないこともよくあります。
そうした特殊事情は別として、「仕事が普通に終わって帰れる状態になった時」という一般論で考えた場合、実際はどうなのでしょうか?
部下の立場からすれば、
「もし自分の方が先に『お先に失礼しま~す』とやれば、上司に『早く帰るとは何事か!』と思われるかもしれない」
と感じて、急ぎの仕事がなくても、さっさと帰るのは気が引けるかもしれない。
一方、上司の方はと言えば、
「自分が部下たちを残して先に帰って、そのあと何か起きたら、責任はどうとればいいのか」
となって、やはり早くは帰れない。
結果、お互いに居残り合うことになったりします。
「高度経済成長」「モーレツ社員」の風潮を引きずるニッポンの伝統的な組織では、そんな「見えない空気」のもと、長時間労働・サービス残業が発生していたような気がします。
実体が伴わず言葉だけが先行している感のある「働き方改革」のもと、退社時刻の現状は、今後どうなっていくのでしょうか?