さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

社内のトラブル報告時。「言い訳」と咎められないための要領の良い説明手順

会社という組織での仕事上のストレスは、仕事そのものよりも人間関係にアリ…

そんな記事を去年書きました。

 

saewataru.hatenablog.com

 

その時の結論は「問題となる人と適当な距離感を保つ」だったのですが、現実にはそれだけでは片づけられない。

「面と向かって対処しなければならない」ことの方が多いです。

 

ある日、部下のAくんがやってきました。

Aくん自身、新人社員Bくんをはじめ何人かの部下を束ねるグループリーダー的立場の人間でした。

顔つきからして、あまり良くない話のようです。

 

話題は、Aくんの部下に当たる新人社員Bくんが起こしたミスでした。

ただ、私が判断するに、それほど重大なミスとは思えませんでした。

Aくん自身のレベルで解決しても良さそうなレベルのものでした。

 

Aくんの言い方はこんな風でした。

 

Aくん「あの~、さえわたるさん、実はちょっと困ったことが起こりまして…」

私「ん?どんなこと?」

Aくん「Bくんのことなんですが…」

私「Bくんがどうかしたの?」

Aくん「Bくんが〇〇のミスをしてしまいまして(以下、経緯説明が長々と続く)…」

私「それで、君はどう対応したの?」

Aくん「えー、それは今Bくんに確認をしてもらっているのですが…」

私「ミスの内容はわかった。私が訊きたいのは、Aくん自身がどう考えて、どうすべきかなんだけど」

Aくん「Bくん。ちょっと…」

 

Aくんの「言い訳としか思えない釈明」の連続に、珍しくキレそうになりました。

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また別のある日。

今度は、Aくんとほぼ同じ立場にある別のグループリーダーであるCくんがやってきました。

やはり、部下のDくんを抱える身でした。

そのDくん、上記のBくんより深刻なトラブルを起こしてしまいました。

 

Cくん「さえわたるさん、取り急ぎご報告があるのですが、お時間よろしいでしょうか?」

私「(実際忙しかったが、『取り急ぎ』の言葉で緊急事態は察知したので)大丈夫だよ。何があった?」

Cくん「ご厄介をおかけすることになります。申し訳ありません。実は(Dくんの名前は出さずに)〇〇社と××の件でトラブルが起こってしまいました。」

私「(Dくん担当の案件であることはすぐにわかった上で)詳しく経緯を聞かせてくれる?」

Cくん「事情は(かくかくしかじか)です。私としてはこのように対応しようと思っているのですが、どう思われますか?」

 

そのトラブルは、AくんBくんの件より何倍も深刻で、対応にも大変手間がかかり苦労しました。

しかし、不快な気持ちになることはなく、冷静に事態を解決することが出来ました。

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上下関係で動いている組織でのコミュニケーションでは、特に下の者にとっては「理不尽」としか思えないことがたくさん起こります。

 

どんなにウマが合わなくても、自分から見たらどんなに無能に思える人物でも、上司は上司。

自分の「会社員としての運命」を一手に握られているのです。

上司が「カラスは白だ!」と言ったら、仮に違っていても「はい、その通りです」と言わなければならないことさえあります。

 

しかし、自分の手に負えない何らかのトラブルが発生した際、それを解決する役目を果たすのは、責任者たる上司なのです。

たとえイヤな相手であっても、「ホウ・レン・ソウ」(報告・連絡・相談)は的確に行われなければなりません。

 

Cくんにはあって、Aくんにはなかったもの。

  • 相手の都合をまず確認する
  • 悪い報告ほどスピーディーに行う
  • 用件の結論から先に言う
  • 責任者の自覚を重視し、まず謝罪する
  • その上で、詳細な経緯を説明する
  • 可能な解決策を提案する

順番を間違えると、同じ説明であっても「自己保身」「言い訳」に聞こえてしまいます。

Aくんのケースでは、ミスを起こしたのは自分自身ではない。

しかし、それは上司たるAくんの責任でもある。

理不尽と思っても、まずは頭を下げなければならないこともある。

話を聞く上司も血のかよった人間。

誠意をもって話せば、気持ちが通じないことはないはずです。

 

そして、AくんやCくんからの報告事項は、当然私自身の責任になりました。

Cくんの話の進め方を参考にしながら、上司である経営トップに説明を行ったことは、言うまでもありません。