【番組紹介】本当に「やらせ」なしのぶっつけ本番お散歩番組(と思いたい?)「鶴瓶の家族に乾杯」
さまざまなテーマで放送されている旅行(お散歩)番組。
ドラマやクイズとは異なり、その趣旨からしてリラックスしてボーっと見ることが多いですが、その中でも最も落ち着いた気分で観ることの出来る番組です。
途中放送時間やスタイルを若干変えながらも、20年以上もの長きにわたって続いているのは、NHKだからとの事情を差し引いて考えても、人気番組の証なのではないかと思います。
メインの鶴瓶と毎回のゲストが、「家族」のふれあい・つながりをテーマに、地元のごく普通の人々を訪ねる…
旅番組といえば旅番組ではありますが、民放で放送されるものとは根本的に異なるコンセプトがいくつかあります。
何と言っても一番の特徴は、「ヤラセのないぶっつけ本番の旅」であること。
TVに映るのは、地元に住む一般の人々。
彼らが突然訪ねてきた有名人に遭遇して驚く姿は、事前のリハーサルのない、まさに「ホンモノ」の反応。
演出効果だけを狙った悪質なドッキリとは本質的に異なる、まさに「うれしいビックリ」だと思います。
わざとらしいグルメの押し付けがないのもイイところです。
飲食店と事前に綿密な打ち合わせをした後なのに、さも偶然見つけたかのように「あ!ここおいしそう。入ってみましょうか?」と見え見えのセリフを言わせ、絶対にマズイとは言えない食レポを発する…
そんな「見え見え感」がまったくありません。
もちろん食べるシーンも登場しますが、一般の家に上がり込んでのその家庭ならではの普通の食事だったり、農家や漁港で獲れたばかりの物だったり。
あくまで旅先での「人とのふれあい」「コミュニケーションの醍醐味」がメインなので、とってつけたようなグルメリポートの要素は必要ないのです。
旅先は、一応ゲストが訪ねてみたい場所、ということになっています。
これに関しては若干「大人の事情」も入ってくるとは思いますが、毎回観光地でない「普通の」街が舞台。
旅好きの私としては、有名な観光スポットなどなくても、大好きな鉄道に乗って行ってみたい…そんな気にさせてくれる場所選びです。
「ぶっつけ本番」なので、発言は台本のあるセリフではなく、すべてゲスト本人の言葉。
それを通じて、演技ではない本当の人間性が垣間見える新たな発見もあります。
最近は「第一発見人」が情報をネット拡散して、図らずも「受け入れリハーサル」が出来上がってしまい、番組の趣旨=一番の特徴である「突然性」が失われがちになるという問題もあるようですが…
師匠が歩き回れる限り、番組が続いて欲しいと願っています。