アイドルの「転身」による生き残り~「タレント」という進路
「はやり歌とともに」カテゴリーで、70年代からのアイドルブームを彩ったたくさんの名前を挙げてきました。
デビュー後どんなに大ヒットを連発したスーパーアイドルであっても、トップの座を維持できるのは長くて5年程度。
それ以上同じスタイルでヒット曲を生み出し続けているのはほんのひと握り、否、ほとんど稀です。
その後は、ヒット曲という「宝物」を武器に、自らの「市場価値」をどのように活用して(若干語弊のある言い方ですが)芸能生活の延命を図るか…にかかってきます。
「現役」で歌が売れなくなり、あるいは新曲が出せなくなり、歌を歌わなくなったアイドルの「進路」は、大きく2つあるように思います。
ひとつは「役者」への転身。
歌でなく「俳優・女優」として映画・TVドラマに進出する方法です。
ジャニーズで言えば、シブがき隊だった本木雅弘、少年隊の東山紀之、V6の岡田准一などは、今や立派な俳優です。
女性であれば、浅野ゆう子、片平なぎさ、小泉今日子、斉藤由貴、中山美穂など、かつてアイドルとして歌を歌っていたことさえ知られていない(忘れられてしまう)ほど、女優としての知名度を維持しています。
もうひとつが、とても便利な用語として使われる「タレント」業です。
タレント、もともとは「才能」という意味ですが、今ではオールラウンドプレーヤー的にTVに出ている人全般を指す言葉になっています。
本格的にお芝居をやっているわけではない、もちろん歌を出しているわけでもない、しかしTVにはバラエティー番組を中心にスタジオゲストやコメンテーターとして露出し続けている。
時にはMCを張っているケースも。
元シブがき隊の薬丸裕英、元SMAPの中居正広、V6の井ノ原快彦、松本伊代、菊池桃子、「バラドル」と呼ばれた山瀬まみ、井森美幸、森口博子…などはその一例でしょう。
形は変わっても、「あの人は今」にはならず、浮き沈みの激しい芸能界の第一線で活躍していられる…
現場からのニーズが無ければ、生き残ることはできません。
個人的な好き嫌いは別として、そのパワーは大したものだと感心します。