さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【番組紹介】「プレバト」は企画と出演者が秀逸

TBS系で木曜夜7時から放送中の「プレバト」。

現在、録画してでも毎週見ようと思う数少ないバラエティー番組です。

 

出演する芸能人が、「俳句」をはじめ「生け花」「水彩画」「料理盛り付け」「陶芸」などの「作品」に挑戦し、その道のセンセイに講評を受けランキングされるという、ほかの番組には見られないユニークなコンセプトです。

この企画を生み出した段階で、芸人や駆け出しの若手タレントばかりをひな壇に集め、トリビアネタをVTRで紹介して、スタジオ収録の間だけ「へぇぇ~!」「すごぉ~い!」レベルのコメントだけ言わせているだけの番組とは「重み」が異なる印象があります。

なぜなら、出演者たち(ベテランから若手までさまざま)は、この番組へのオファーを受けた段階で、単にその時間出演するだけでなく、本番までに指定の「お題」で作品を仕上げなければならないからです。

 

作るモノが何であるにせよ、ひとつの作品を完成させる「産みの苦しみ」は、ハタで眺めているよりはるかに厳しい!

私自身がふだん「歌」という作品作りに取り組んでいることもあり、その大変さはとても肌で実感できます。

 

また、バラエティーでは通常MCが主役ですが、この番組では企画の性格上、作品を査定する「講師」のあり方も大きなポイントとなります。

単にその道のプロである、というだけだなく、そのタレント性=「テレビ映え」するかどうかも重要な要素です。

 

通常、1時間のうち前半は必ず俳句、後半はその他のコーナーになりますが、時間配分は俳句が6割から7割を占める場合が多いです。

とりもなおさず、それだけ俳句コーナーの人気が高いことの証でもあります。

日常生活ではあまり馴染みのない俳句をゴールデンタイムのど真ん中に定着させたのは、何と言っても講師役の俳人・夏井いつき女史の功績が大きいと感じます。

 

出演者の老若男女を問わず、作品が悪ければバッサリと切り捨てる「毒舌」は、いまやこの番組の名物ですが、この毒舌こそが痛快で、だからこそ毎週なにはなくとも俳句のコーナーが放送されるのでしょう。

単に毒舌=悪口かと言うと決してそうではなく、講評はきわめて的確かつ丁寧。

また、俳句という「言葉」を生業としているだけあって、よくよく聞いていると、敬語はもちろんのこと、言葉づかいが実にしっかりしていることがわかります。

さらに、このご時世にあってあえて「ゆっくり」喋っている点も、最近には珍しい大きな特徴です。

 

MC・浜田雅功の「場を取り仕切る」能力は、この番組に限ったことではないし、今さら言うまでもなく素晴らしい。

各「名人・特待生」たちのキャラクターの魅力ももちろんあります。

しかし、こと「プレバト」に関して言えば、夏井センセイの存在なしには成立しえない…。

そこを「強く褒めたい」(=センセイの口ぐせ)と思います。