流行は作られるもの?
「この春は〇〇がハヤリ」。
〇〇には、主に身に着けるモノに関して、色や素材・形など、あらゆるものが当てはまります。
ファッションにはまったく疎い私の目にも、よく入ってくる情報です。
おしゃれに興味のある人たちにとっては、そこにアンテナを張ることがマストなのでしょう。
洋服・言葉・歌…
さまざまなものには「流行(ファッション)」がつきものです。
それ自体、一見当然のことのように思えます。
でも本来は、何かに対して皆が「良い」あるいは「好きではないけれど何か気になる」「気がついたら頭の中をグルグル回っていた」などと感じたものが「意図的でなく自然発生的に」広まっていくことが「流行」。
現在の「流行」が「意図的かつ人為的に」「狙って作られて」いる状況を鑑みるに、どうも順番が逆になっているような気がします。
特に服飾の世界では、業界なりメーカーなりが事前に「今シーズンは〇〇を流行らせよう」との協議を行い、それをPRすることによって流行が形成されていくようです。
言葉に関しても、「新語・流行語」が良くも悪くもかつてほどのインパクトを感じなくなっている気がします。
スポーツ(プロ野球?)の世界で語られた、おおよそ野球を見ない人は知る由もない言葉が「新語・流行語」大賞にノミネートされていたりします。
歌の世界はその最たるもの。
「歌は世につれ、世は歌につれ」なんて諺(?)がありましたが、それも昔むかしの話。
いまシングルCDが一番売れているAKB48が、CDを出すたびに初週で100万枚超えのセールスを記録しても、歌そのものを知っている人はCDを購入したファンだけ。
個々人の趣味がどんどん細分化されていって、老若男女問わず誰もが「イヤでも耳に入って覚えてしまう」ような「流行歌」はすっかりなくなってしまいました。
この「イヤでも」レベルまで到達する現象こそが、本当の「流行」だと思うのですが。