さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

「できちゃった婚」を放送禁止用語扱いする風潮について

昨日「入籍」の話を書いて、思い出しました。

芸能人のプライベートネタといえば、今も昔も変わらず結婚・離婚・出産ですが、結婚に付属するニュースとして、女性が妊娠しているかどうかも付帯した報道が非常に多く見受けられます。

 

 「〇〇さんは妊娠はしておらず~」

よく聞かれるこの表現です。

 

「そんなの当たり前。なぜあえて言う必要があるの?」って思います。

結婚してから、最短でもいわゆる「十月十日」を経て赤ちゃんが生まれるのが大前提ですから、あえて上記の報道がなされるのは、その鉄則が破られる、つまり期せずして妊娠「してしまった」から(順番が逆になった責任をとって)結婚するケースがいかに多いかの現われなのかもしれません。

仁義にもとる、は言い過ぎとしても、一般的な社会通念上決して褒められた行為ではないものではないか、と感じます。

 

この事態、かつては「できちゃった婚」と呼ばれていました。

なんとも滑稽な言い回しと思いつつ、まさに言い得て妙。

ある意味恥ずかしく、もっと言えば無責任とも言える彼らを称するのにふさわしいとさえ思っていました。

 

ところが、この言葉が最近「おめでた婚」「授かり婚」などという奇妙な言葉にじわりじわりと言い換えられています。

これらは普通に結婚してから赤ちゃんを授かる「おめでたさ」を表わすもので、その順番が逆になってしまう情けないニュアンスは「まったく」含まれていません。

しかし、「授かり婚」はいまや「できちゃった婚」に代わる言葉になりつつあるようです。

妙な言い方だと思います。

 

先日も生放送の情報番組で、「できちゃった婚」をした女優の結婚について、出演者が「できちゃった…」と言いかけてから、さも放送禁止用語を発してしまったかのように口をつぐむ場面に遭遇して、非常に違和感を覚えました。

 

赤ちゃんができるのはおめでたいこと、生まれてくる赤ちゃんには何の責任もないことは言うまでもありませんが、なぜ「できちゃった婚」と呼ぶのを自粛しなければならないのかがわかりません。

 

そう呼ばれてたとえ不本意でも、それは自分の行動の代償なのだから仕方のないこと。

尤も、そんなコメントを気にするようなメンタルの持ち主は、芸能界では生きていけないのかもしれません。