さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

それは「入籍」ではない!

 毎日のように聞かれる、芸能人の結婚報告。

それがニュースとして報道されるかされないかは、今回さほど問題ではありません。

気になるのは、彼らが会見の際「結婚」を報告する言葉として「入籍」を使う点です。

 

「結婚とは」「入籍とは」を論じる以前に、漢字の意味を考えれば「結婚」と「入籍」が違う意味であることは一目瞭然なのですが。

 

「入籍」とは、文字通り「籍に入る」「籍に入れる」行為のこと。

すでにある戸籍に、誰かを入れる場合は「入籍」になります。

夫婦に子供が生まれ、それまで夫婦で構成されていた戸籍にその子供を入れる場合は「入籍」です。

 

しかし結婚の場合は、二人で新しい戸籍を「作る」わけであり、決してどこかの戸籍に「入る」わけではありません。

こんな言葉はないのでしょうが、いわば「創籍」です。

 

しかも、これも圧倒的に多いのが「入籍させていただきました」との言い方。

以前のコラムでも触れたように「~させていただく」とさえ言っておけば、へりくだった丁寧な表現になるだろうという考えから出てくる表現。

「謹んで~」の気持ちを出したいのはわからなくもありませんが、本来「~させていただく」は、相手の許可・承認に基づく行為の際使うものです。

結婚はあくまでも本人たち自身の意思表示ですから、会見をするなら普通に「結婚致しました」だけで十分でないか、と思います。