「テンションが上がる」と、つらいのでは?
このタイトル、もちろんジョークです。
この言葉、世間で聞かないことがないほどに、完全に定着した感があります。
正確にはわかりませんが、せいぜいここ数年の傾向では?と感じます。
単に「アガル~!」も同じ流れでしょう。
何か「良いこと」が楽しい/楽しみである、興奮する、という意味で使われています。
これに相当する感情を、この言葉が登場する前にどういう言葉で表現していたか、もう思い出せないほどです。
単純に「楽しい」あるいはせいぜい「ドキドキ・ワクワクする」ぐらいだったでしょうか?
なぜ「テンション」という言葉が登場したのでしょう?
今さらながら、英和辞典によれば「ぴんと張り詰めること」「緊張感」「不安」とあります。
「テンションが上がる」とは、文字通り「和訳」(!)すれば、「精神的に張り詰め、緊張や不安な状態が増長する」ことになります。
強いて考えれば、「不安の上昇感」の「上がる」部分だけが取り上げられ、いつしかまったく逆の「気分の高揚感」に化けてしまった、ということなのでしょうね。
言葉がその意味合いを変えていくのは時代の流れとも言えますが、このようにまったく逆のニュアンスで定着してしまうことには、何かしら割り切れないものを感じます。
まぁ、このケースでは元が英語だったのでフィーリングでこの言葉が選ばれた側面もあるのでしょうが。
次回のこのカテゴリーのコラムでは、日本語で逆の意味になってしまった言葉について述べます。