【番組紹介】「永遠の5歳児」は大人向け?子供向け?~「チコちゃんに叱られる」
本日、金曜日の20時台と言えば、テレビ制作側にとっては大きな「激戦区」。
個人的にも、どこのチャンネルを選ぶか迷う時間帯です。
昨年までは、過去記事でも取り上げたように「ぴったんこカン・カン」を見ることが多かったです。
しかし、前後の番組の2時間スペシャル化によって、オンエアのない日が徐々に目立つようになってきました。
一方「ぴったんこ~」自体が20時からの2時間スペシャルになると、21時台は別の視聴予定があったりして、ずっと見続ける気になれないことも。
面白さは、ゲストの良し悪しにもかなり左右されます。
ドラマの番宣でキャスティングされるのは「お約束」として、あまりにフリートーク力のないタレントが出ていると、楽しくありません。
そんな時には、少しでも受信料の元をとろうと、NHKサマのお世話になることもあります。
そこで登場するのが、「永遠の5歳児」チコちゃん!
金曜の夜だけでなく、翌日土曜の「朝ドラ」終了後に再放送があるのも、なんともNHK的です。
ちなみに、この記事執筆に当たって「金曜夜の本放送時間帯は実は全国放送枠ではなく、地域ごとに別番組になっている場合があること」を初めて知りました。
しかし、「紅白」にも連続登場していますし、その知名度は全国区と言ってよいでしょう。
本放送は19時57分から20時42分までの45分間ですが、CMがないので民放の1時間番組とほぼ同じボリュームです。
「好奇心旺盛で、どんなことでも知っている5歳」
という設定の着ぐるみの女の子・チコちゃんが、レギュラーの岡村隆史(ナインティナイン)プラスゲスト2人、計3人の「オトナ」の解答者たちに、当たり前過ぎてかえって答えられないような疑問を投げ掛ける。
オトナたちが答えに詰まると突然顔面を紅潮させ、かつ巨大化させて、お決まりのセリフ
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
と叱り飛ばす。
そして正解を明かした後、専門家に取材をしたVTRを流してさらに詳しい説明をする…
一方、オトナたちがいきなり正解を出してしまうと、
「つまんねぇヤツだなぁ!」
と拗ねるのもお約束です。
スタジオでの問答の後、エンディングの数分間は、チコちゃん&岡村にカラスのキョエちゃんが加わっての「縁側談義」になります。
チコちゃんの声をキム兄こと木村祐一が担当しているのが、この番組最大の見せ場でしょう。
回答までの間、「ねぇねぇ、岡村ぁ~!」と甘えるしぐさやアドリブ的なトークの展開は、毎回絶品です。
また、ナレーションを行う森田美由紀アナの語り口にもいくつかお決まりのパターンがあり、絶妙な味わいを醸し出しています。
「今こそ、すべての日本国民に問います!」
「そんなことも知らずに、やれ〇〇だとか〇〇などと言っている日本人のなんと多いことか!」
と、「全国民」に対して上から目線で淡々と毒を吐くスタイル。
この「いかにもザ・NHK」的で真面目なしゃべりが、却って面白みを増幅させています。
扱われているお題は、改めて尋ねられると答えるのに本当に困ってしまう、オトナの常識力を再確認させるようなものばかりです。
従って、この番組はオトナが「ちょっとした頭の体操」として楽しむバラエティーの一環であり、チコちゃんと同世代の子どもが真剣に理解するのは、ちょっと難しい…
ということでOKなのか?!
一方、デパートのおもちゃ売り場などを覗くと、「ちびまる子ちゃん」と並んでチコちゃんのキャラクターグッズが多数売られていたりする。
オンエア時間的に、幼稚園生や小学校低学年生が見ていてもおかしくありません。
言葉の品位にはうるさいはずのNHKが、よく「ボーッと…」の決めゼリフにOKを出したなぁと、妙なところにちょっと感心しています。