本州以外出身の人が、出身県を明言しない不思議
初対面の人と話す。
また必ずしも初対面でなくても、
出身地・地元
を話のネタにすることはよくあると思います。
話を始めるきっかけとして、比較的無難な世間話のひとつになる話題です。
定期的に購読して下さっている方はすでにお気づきと思いますが、私は「地理」ネタが大好き。
それぞれの土地に対する興味が、ハンパなく強いのです。
これまた当ブログの「全都道府県旅行記」で連載しているように、マニアックに大好きな鉄道に乗って実際にその場所を訪問もしますし、話を聞くだけでもとても楽しい!
話が詰まって微妙な沈黙の雰囲気に包まれそうになった時、再開のきっかけとして
「ご出身はどちらですか?」
フレーズを使うことが多いです。
すると相手からは、たいていは「〇〇県」と、県名で返されます。
ところが、(統計をとったわけでもない感覚的な話ですが)
本州以外の出身の人は、なぜかはっきり県名を明かさないケースが多いのです。
「ご出身は?」
「四国です」
「九州です」と。
四国のどこなのか、具体的に何県なのか知られたくないから、という意識からなのでしょうか?
それとも「四国は4県で1つ」という強い団結力があるからなのでしょうか?
否、県民性的にはむしろ、それぞれのアイデンティティーがほかの地域より強い県が集まっているようにも思えます。
四国ほどではありませんが、九州出身の人も、ただ「九州です」回答の傾向が強いです。
(福岡だけは、ちょっと例外っぽい感がありますが…)
私自身、生まれたのは熊本県で(父の転勤赴任地でたまたま生まれて3歳までを過ごしただけで、本籍は東京ですし、育ちもずっと東京ですが)、父方の祖父は長崎県出身ということもあって、個人的に九州には愛着がある。
同じ九州出身とわかったら、たとえ違う県でも話を盛り上げることが出来そう。
そして、北海道は地理的事情でちょっと特殊ですが、反応はほぼ同様です。
「北海道出身です」で終わる。
「北海道は北海道で都府県と同等のひとつの『道』なんだから、そこまでで終わりじゃないの?」
普通はそうですよね?
さらに「北海道のどの辺ですか?」と尋ねると、ようやく近辺の主要な市の名前が出てくる。
興味本位であまり突っ込むと失礼になるので言いませんが、本当はもっと知りたい。
だって、4つの県を擁する四国や、7つの県のある九州より、北海道単体の方が面積が広いのですから!
北海道の中は、「石狩」「胆振」「宗谷」「十勝」「宗谷」などの「支庁」(それぞれが県レベルの面積を持つ)に分かれています。
ところが、その地名が表に出ることはあまりありません。
たとえば札幌市は誰でも知っているけれど、札幌が「石狩支庁」にあることはほとんど意識されていません。
それで、たいていはまとめて「北海道出身です」で終わってしまう。
同じ北海道でも、函館と稚内では風土も気候も全然違うのに。
双方を移動しようと思ったら、たとえ飛行機を駆使しても、東京~大阪間の何倍も時間がかかるほど遠いのに。
以上、ふだんは誰も考えないけれど、個人的にはちょっと気になる「重箱の隅」エピソードでした。