「々を使う=同じ漢字が連続する単語」の読み方・使われ方が意外だった。「々」は文字ではなく記号。その読み方は?
小学生の頃、「漢字の書き取りテスト」は比較的得意な方でした。
ところが、「ハタチ過ぎればただの人」のことわざ通り?(もともと天才でも神童でもないのですが)、
「常識的な漢字が読み書き出来ればいいや」
程度のオトナになってしまいました。
トシをとると、状況はさらに悪化。
「読むには読めるけど、とっさに書けない」漢字がどんどん増えていきます。
手書きで文字を書く機会が激減したから、に違いありません。
こうして普通に入力していれば、「コンピュータ様」が該当漢字の候補をすべて挙げて下さるご時世。
マシンに責任を転嫁することはカンタンですが、一方であまりの「読み書き能力の低下」を前に、自己嫌悪に陥ることもあります。
漢字の読み書きは、「漢字検定」なるものが存在するほど奥が深いもの。
教養として知っておいても決して悪くはありませんが、(決して負け惜しみではなく)その道を究めても、あまり実用的ではないようにも思えます。
自分自身、世間一般の「常識」程度には漢字が扱える、と思っていました。
(この「常識」のレベルも、線引きが非常に難しいですが…)
ところが、ふとテレビで目にした「漢字クイズ」で、日常会話によく出てくる言葉なのに、漢字にすると意外に馴染みのない単語が特集されていて、思わず興味を惹かれてしまいました。
さまざまな難解漢字の読み方例が出ていましたが、中でも注目したのが
「同じ漢字が連続する単語」の読み方です。
「人々」「時々」「久々」などのように。
「威風堂々」や「三々五々」「前途洋々」「平々凡々」などのように、四字熟語にもよく見られます。
また、「佐々木」「野々村」のように、苗字に含まれていることもあります。
この「同じ漢字連続単語」。
上記「ひとびと」「ときどき」「ひさびさ」は、当然読めますし、よく使います。
「偶々」
これは問題なく「たまたま」と読めました。
「云々」
これも、「うんぬん」。
ところが、これを「しかじか」とも読むことに気づいていませんでした。
「かくかくしかじか」だったら「然々」だろう!と思い込んでいたからです。
ちょっとつまずきました。
「総々」
今度はちょっとばかり立ち止まりました。
「そうそう」でないことは、すぐわかる。
「錚々」「早々」「草々」など、違う単語が出てきてしまいます。
そういえば、「総」の字は名前にも使われることがある。
その場合、通常の読み方は「ふさ」。
そう、「毛がフサフサしている」のように使う「ふさふさ」。
読めなくはなかったけれど、ふだんカタカナで読み書きしていたので、「充てる漢字があること」に少し驚きました。
ちなみに、「ふさふさ」と入力しても、Wordの変換候補には出てきませんでした。
「区々」
「区」は、東京23区だったり、政令指定都市で市の下にあったりする存在…
つまり「小さい町の単位」だから、「まちまち」。
意味を考えれば、違和感はないはずなのですが、これも
「皆の意見はまちまちだった」
のように、ひらがな表記されることに慣れてしまっていました。
「態々」
これも「区々」同様、わざわざ漢字を充てることは多くありません。
そう、先に答えを言ってしまいましたが、「わざわざ」。
これも
「わざわざご足労下さり、ありがとうございました」
のように、通常はひらがな表記しますよね?
「兀々」
恥ずかしながら、これは白旗でした。
そもそも、これって「円周率のパイ」。
こんな漢字、使ったことがありませんでした。
「コツコツ勉強する」の「こつこつ」。
これも、書く時は普通ひらがなかカタカナですよね?
私だけが知らなかったのかもしれません。
蛇足ですが、これらの単語で使われている「々」は、「文字」ではなく「記号」。
「同上」などの時に使う「テンテン」の記号が組み合わされて出来たもの、と言われています。
入力時に「どう」「くりかえし」「おなじ」で変換されることは経験上知っていましたが、その形から
「ノマ点」または「同の字点」、あるいは文字通り「繰り返し記号」
と呼ぶことを、初めて知りました。
ひらがなであれば、「ゝ」や「ゞ」に当たります。