駅の「両側」に「街」がある~東京だけの特徴
狭い面積に国全体の1割以上の人口が集まる巨大都市・東京。
そのスケールは、県庁所在地1個分サイズ以上の市街地が各駅ごとに存在しているかのような大きさです。
今後、過去・現在において好きな街についても語っていければと考えていますが…
今日は「鉄道好き」の観点から、「駅」を軸にした都内の街の特徴を述べてみたいと思います。
結論を先に言ってしまうと、タイトル通り「都区内の繁華街は、駅の両側に存在する」のが特徴です。
駅の東西・あるいは南北双方が、開けているのです。
たとえば、新宿。
東口は、伊勢丹や丸井の建ち並ぶメインの新宿通りをはじめ、世界的にも有数の歓楽街・歌舞伎町、北部のコリアンタウンとしても有名な大久保エリアまで含め、ここだけで十分巨大都市です。
一方西口も、歴史は新しいものの、もともとの高層ビル群プラス都庁が加わって、大きな街に発展しました。
(さらに南口も、タイムズスクエアとして開発されている)
渋谷も、駅をはさんで西側はハチ公・道玄坂、東側の宮益坂方面は大規模な再開発中で、駅の両側に街がある。
池袋も、東口にはサンシャイン60・西武百貨店やパルコ、西口には東武百貨店や飲食店街が広がっています。
東京の玄関口・東京駅近辺も、西側は皇居に向けて丸ビル・新丸ビル・大手町を含めた一大ビジネス街、東側の八重洲エリアも同様に大小さまざまなビジネスビルが集中しており、すぐ近所には日本橋や銀座の繁華街もあります。
私が知る(感じる)限り、こうした特徴があるのは東京だけ。
ほかのどの大都市に行っても、大きな市街地は中心駅の「片側」に存在しているのです。
「キタ」と呼ばれる梅田エリアは、実は駅南口すぐの辺り。
「ミナミ」はさらに数キロ南側のエリアを指します。
駅北口は、駅舎周辺にこそビルが存在するものの、近くを流れる淀川に阻まれて、大きな市街地にはなっていません。
名古屋駅。
東口(桜通口・広小路口)方向に「名駅」「栄」の二大市街地が偏在。
新幹線の窓から見える西口(太閤通口)の風景は、駅のいわば裏側です。
京都駅。
主要な観光地やそれらへ向かうバスターミナルは北口に集中しており、南口前には目立つ建物や有名なスポットはほとんどありません(強いて言えば、五重塔が象徴的な東寺ぐらい)。
札幌駅。
時計台が有名な駅前の市街地、大通公園、北日本最大の歓楽街ススキノは、いずれも駅の南側。
北口側には北海道大学の広大なキャンパスが広がっています。
博多駅。
駅前および天神エリアは、いずれも駅の西口。
東側は福岡空港が占領していて、街の広がる余地がありません。
仙台駅は駅の西側が、広島駅は駅の南側が大きく栄えています。
駅の両側に「街」があり、かつその街が駅ごとに存在する…
良くも悪くも、東京という街の巨大さを再認識します。