さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

会場探しも裏方も、全部自分たちでやったコンサート

これまでお話ししていたステージ活動は、主催者からのオファーがあって、あるいはイベント開催が決まっていて、いわば「お誘い」に乗って演奏なり歌唱なりを行っていれば済むものばかりでした。

すべてお膳立てされているのですから、それはそれは恵まれた環境でのステージでした。

 

しかし、そうではないステージも経験したことがあります。

高校、大学、そして社会人になってからも、バイオリン奏者として長くオーケストラでの演奏に携わっていた私。

その一端は、以前「北海道演奏旅行記」として、このカテゴリーでもご紹介しました。

 

100人近いメンバーが一堂に会し、心をひとつにして作品を演奏する…

その興奮・高揚感は、経験者ならではのものがあります。

その一方で、クラシック音楽には「室内楽」というジャンルがあります。

大きなホールではなく、文字通り室内(小さなステージ)で数名から十数名の少人数で演奏を行うというものです。

 

代表的には、弦楽四重奏(第一バイオリン・第二バイオリン・ビオラ・チェロの4人)、あるいはそれにピアノを加えたピアノ五重奏という編成があります。

大勢での演奏ももちろん楽しいけれど、少人数でより一層互いの心を通わせながら、繊細なハーモニーを目指すのも、また格別なものです。

オーケストラ活動は高校の部活の時から始めていたのですが、その中から特に仲の良かったメンバーと数人のグループを組み、収容人数200名程度の小ホールでの「自主コンサート」を開催する、そんなことも同時に行っていたのです。

 

ゼロからの自主的な活動に当たってまず苦労したのが、練習場所の確保。

お互いのメンバーの自宅を持ち回りで使ったこともありましたが、なにせ「音」(周囲にとっては騒音)が出ますから、どうしても気を遣ってしまう。

そこで、よくバンドが使う遮音の練習室を時間単位で借りて練習したりして。

手ごろな大きさのホール探しも、容易ではありません。

せっかくコンサートをやるのだから、その記録も残したいと、音響に詳しい知人に録音のセッティングも依頼しました。

それ以上に困ったのが、肝心の観客集め。

各々が己の人脈のすべてを駆使して、なんとか8割方会場を埋め尽くし、2時間ほどのコンサートを開催。

そんな活動を、社会人になってからも含め、10回近く行ったでしょうか。

「裏方」稼業も含め、全部自分たちで運営したものですから、無事本番を終えた時の達成感は言葉に出来ないほどでした。

 

そして、そんな活動になんと「スポンサー」の付く日がやって来たのです。

日を改めて、その時の活動のお話もしたいと思っています。