全都道府県旅行記~秋田県
秋田県・東能代駅で五能線を降り、奥羽本線に乗り換えて秋田駅に向かいます。
この日はたまたま、雪国の東北でも特に雪の多い日で、列車のダイヤも乱れ気味。
五能線が予定よりかなり遅れて到着したため、乗ろうと思っていた秋田駅行きの列車に乗れず、1時間以上東能代駅で待たされることになってしまいました。
寒さをしのぐ待合室は改札の外にしかなく、本来ならば手持ちの乗車券を手放さなければそこには入ることができないところだったのですが、駅員さんの優しい心配りのおかげで、寒風吹きすさぶホームではなく暖かい待合室で列車の到着を待つことが出来ました。
そして日もすっかり暮れた夕刻、なんとか秋田駅までは着いたのですが、この時点で外は猛吹雪。
駅前にビジネスホテルもあったのでそこを予約しておけば良かったのですが、せっかくプライベートな旅なのだからと、駅から少し離れた個人旅館を手配していました。
この天候のために、通常なら徒歩でもなんとか行ける距離と見込んでいたのが、立ち往生状態になってしまいました。
仕方なく宿に連絡して事情を説明し、駅まで車で迎えに来ていただくことに。
到着後わかったのですが、この日の宿泊客はなんと私ひとりだったのです。
そのひとりのために駅までの送迎をし(翌朝も雪で東京行きの新幹線も大幅に遅れました)、夕食・朝食を作り、お風呂の用意をし、世間話の相手までしてくれた旅館のご主人夫婦。
列車のダイヤが乱れて、予定していた周辺観光の時間をとることは叶いませんでしたし、窓に打ち付ける雪嵐が凄まじく、寝るのが怖いほどの夜を過ごしましたが、その分旅館で温かい人情味に触れることができたのは何よりの収穫。
ささやかなその1泊で、秋田が忘れられない思い出の地になりました。