ラジオ生放送に1時間出演した話
TVへの出演や大小のステージ活動(これからも折に触れ書く予定です)等、人前に出る機会を経験してきた私ですが、その中でこれまで最大級の思い出になっているのが今日の話です。
私の音楽好きは、勤務先内でもまあまあ広まっていました。
ある日、毎日新聞から会社の広報部宛に「今度『会社の名物人間』の企画を予定しているのだが、おたくの会社にそういう人物はいないか?」と問い合わせが入りました。
その時の広報部長というのが、たまたま私が入社時公私ともにお世話になっていた上司で、早速彼に呼ばれて「バイオリン演奏者や歌の作り手・歌い手としてのあれこれ」について対応してほしいと言われ、新聞記者のインタビューを受けることになったのです。
あくまで「仕事」として、ですよ(笑)。
それが数日後の新聞に、数段の囲み記事で紹介されました。
「悪いことをしないで新聞に載るなんて人生に二度とないこと」ですから(実は後日また新聞に載ったのですが、それは稿を改めて書きます)、それだけで個人的には家宝的価値があったのですが、この話には続きがありました。
その記事をたまたま目にしたNHKのプロデューサーから「記事の話をラジオ放送の企画で取り上げたい」との申し入れが入りました。
そして、NHKラジオ第一で当時放送されていた「ちょっとひといきティータイム」というトーク番組に出演する事態に発展したのです。
番組は、平日の午前10時から1時間、各分野の人がひとつの話題についてフリートークを行う内容でした。
一応数日前にアナウンサーと30分程度打ち合わせを行いはしましたが、ざっとした内容確認だけ。
具体的な話題展開や時間配分などは一切わからないままで、当日放送局に向かいます。
ラジオで顔が見えないとは言え、いきなり全国向け、しかも生放送、さらに1時間の長丁場!
学生時代放送部に所属し「しゃべり」にはそこそこ慣れているつもりの私でしたが、第一声はさすがに緊張の嵐でした。
でも、オンエアの現場は、2人入ればいっぱいになってしまうほどの狭いブース。
アナウンサーと面と向かって話していると、マイクがぶら下がっていることを除けば、普通の部屋での会話とさほど変わらない気分になってくるものです。
始まって5分も経つとすっかり自然体で、室内の時計やガラス窓の向こうのディレクターの表情なども見ながら、持ち時間と自分のしゃべりたいことのバランスを考える余裕も出てきました。
トークの途中には、これまでの自作の歌も4曲ほどオンエアされ、放送後「あの曲はどこで販売されているのか」の問い合わせFAXが入ったりもしました。
当日の新聞のラ・テ欄には私の実名がしっかり刻まれ、今でも永久保存版になっています。