BGMで一番「場面とリンクする定番」と言えば、誰もが知るあの曲!通常「聞き流す」存在なのに、つい「聴き入って」しまうのは「職業病」?
大規模な商業施設やホテルのロビーでは、何かしらのBGMが流れていることが多いです。
街のクリニックでも、待合室には音楽が聞こえていたりします。
テレビのVTRでも、映像やナレーションのバックに使われています。
BGM=「バックグラウンドミュージック」。
その名の通り、音楽はあくまでその場においては「脇役」「引き立て役」的存在。
何も音がないと「間が持たない」のでその埋め合わせに、あるいは患者の不安感を少しでも癒すために使われている音楽です。
ゆえに、この種の音楽は通常「聞き流される」のが当たり前。
しかし、その音楽についつい「聴き入って」しまうのが、クセになっているのです。
一種の「職業病」(?)かもしれません。
ちなみに
「聞く」=「意識せずとも自然に耳に入ってくる」
「聴く」=「身を入れて積極的に耳に入れる」
ということで、あえて漢字も使い分けています。
なぜだろう?と考えてみたところ、音楽が好きなのは大前提として、BGMによく使われる音楽ジャンルが大きく3つあることがわかりました。
ひとつめは「クラシック音楽」。
ひと口にクラシックと言っても幅広いですが、その中でもフルオーケストラの大音響で聴くシンフォニーのような大曲ではなく、ピアノソロだったり、ヴァイオリンとピアノだけで演奏される小品が選ばれることがよくあります。
その中には、幼い頃レッスンに通っていた時に、実際に練習曲として演奏したことのある曲も含まれていたりする。
昔から馴染んでいれば、無視しろと言われても、つい耳を傾けてしまいます。
ふたつめは「はやり歌のインストバージョン」。
比較的静かな曲調のヒット曲の「歌ナシ版」。
クリニックの待合室や歯科医院の診察室などでは、ヒーリングミュージックとして、J-POPのオリジナルソングをオルゴール風の優しい音色にアレンジしたものをよく耳にします。
これも、聴きながら「あれ?この歌、なんだったっけ?」と、ついつい元歌を探りに行きたくなります。
病院にいる雰囲気を忘れるという意味では、効果的かもしれません。
みっつめは、かつて「イージーリスニング」と呼ばれたジャンルの音楽。
ピアノを中心に、静かにギター・ベース・ドラムなどが含まれる 静かなサウンド。
弦楽器は入っているものの、フルオーケストラの編成とは違う。
エレクトリックな楽器は、通常あまり使用されません。
その名の通り「耳に心地良いライトな雰囲気の音楽」を奏でます。
代表的なところでは、ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブル、ピエール・ポルト、リチャード・クレイダーマンなどが思い出されます。
このように、BGMが使われる「場面」やその際に使用される「素材」としての音楽は数多くあります。
この中で、
「場面」と「音楽」が一番リンクしていると思うのが、マジックショー。
どういう経緯からかは不明ですが、ポール・モーリアの
「オリーブの首飾り」
がBGMになるのが、もはや「お約束」ですよね。
意外に「聴いたことはあるけれど、タイトルまでは意識していなかった」という方も多いのでは?
だからこそBGMなのだ、とも言えそうです。
この音楽を聴いただけで、テレビの画面を見ていなくても、
「あ、マジックやっているな!」
とわかってしまうくらいです。
その意味で、「最も定番のBGM」と言えるのではないかと感じます。
ほかにも、たとえ作曲者はアタマになくても、きっとどこかで聴いたことのある作品が多数あることと思います。
今日は珍しく、クラシックのジャンルからも曲をご紹介します。
これもまた、BGMとして耳にする機会が非常に多い楽曲です。
ヴァイオリン奏者として飽きるほど演奏し、目をつぶっていても弾けるモーツァルトの代表作のひとつ。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。
オリジナルのドイツ語を英語表記すれば「A Little(Small) Night Music」。
日本語で「小夜曲」と呼ばれることもまれにありますが、オリジナルタイトルのままが主流です。
練習中は「アイネク」と呼んでいました。