営業職に「ノルマ」は必ずある。厳しい一方、人事評価上フェアな面も
だいぶ前、かんぽ生命の営業トラブルがメディアに取り上げられていました。
営業員への過剰なノルマが問題の原因とされ、記者会見の場では経営陣が「今後はノルマを撤廃する」と頭を下げました。
これを見ていて疑問に思ったのです。
「ノルマをなくして、営業は成り立つのだろうか?」と。
かんぽと言えばもともとはお役所ですから、民間の原理が通用しない環境でやってきて、いきなり営業と言われてこのような問題になってしまった、そんな要因はあったと思います。
しかし、普通の民間企業であれば、業種にかかわらず営業にノルマはつきものです。
どこの会社にも、数値目標が必ずあるはずです。
それなしに、商売など出来ないのではないか、と。
ノルマは、確かに厳しいものです。
「数字」を達成できなければ、叱責されるだけでなく悪い人事評価を受け、収入や出世に直接影響します。
その一方、「数字」という客観的な尺度があってフェアだと思うこともあります。
私は、幸か不幸かこれまでの会社員人生で「営業職」になったことがありません。
逆に、何の因果か「目標数値を作る」側の部署に長く所属していました。
ゆえに、営業職の本当の厳しさを知らず、本来であればそれについてあれこれ語れる立場ではありません。
しかし、非営業職であっても人事評価は営業職と同じように受けます。
その際、営業職のように数値で測れる目標を持っていませんから、その達成度合い=「働きぶり」を客観的に評価することが難しいのです。
自分はしっかり働いた、期初に定めた目標をしっかり達成したと思っても、その目標は数字という「定量的」なものではなく「定性的」であることが多く、評価者である上司の見解はこちらから見ると主観的で、思いもよらぬ悪い評価を受けたりします。
営業に関して肝心の数値目標をそもそもどのような基準で定めるか、という根本的な課題はありますが、目標設定の観点からは、評価の客観性・公平性を担保する意味で、「数字」がある意義は大きいと感じています。