さえわたる 音楽・エンタメ日記

オリジナル作品紹介、歌の解説、ヴァイオリン演奏、言葉の使い方、エンタメニュース、旅行記などについて綴っています

【書評は要らない?】宝島社「VOW」~「読者投稿コーナー」の傑作集の笑える中身

本屋の雑誌コーナーを立ち読みしていた時のこと。

派手な表紙の本が目にとまりました。

 

「宝島社」という出版社は、以前から耳にしたことがありました。

しかし、目に飛び込んで来たタイトルに描かれている

VOW

の文字の意味は、すぐには理解出来ませんでした。

しかも、カタカナで面白おかしく「バウッ!」と書かれている!

 

その3文字の正体は

「Voice Of Wonderland」。

 

同社の雑誌「宝島」に掲載されている「読者投稿コーナー」を単行本化した、半世紀近い歴史を持つ、「立派なシリーズ本」でした。

 

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投稿の中身は、「街中の風景写真や新聞記事」が題材です。

 

ところが、それは通常の画像ではない。

主として、次のようなジャンルの「ネタ」から構成されています。

  • 新聞・雑誌・広告等の「誤植」
  • 新聞記事の「面白い見出しや投書」
  • 変わった看板・道路標識・交通標語
  • 面白い「壁の落書き」
  • ユニークな商品名
  • 珍名特集(人名・競走馬名)

 

日常で見かける風景や新聞記事から、「ヘンなモノ」を拾い出し、それに編集者の「ひとことコメント」が付いている、という構成です。

 

ですから、「読み物」というより「写真集」に近い、とも言えるのですが、取り上げられている写真は「文字中心」なので、結局「読んで」しまう。

 

「間違いだらけ」の内容のため、しかもそれがわざとではない「うっかり間違い」のため、思わず吹き出してしまう・・・

「人前で読むのは危険」な本です。

 

 今も印象に残る、代表的な記事をいくつか・・・

 

誤植シリーズ

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逐一説明を付けるのも野暮ですが・・・

 

ピンクレディー」のデビュー曲が「ペッパーつながり」?!

ドクターペッパーだったら、あんなにヒットはしなかったでしょう。

「レッド・チャップリン」や「X(ペケ)」に会えたら、それはそれで楽しそうです。

 

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 「編集部コメント」を上回るひと言が、なかなか見つかりません。

 

「本人」でない「大人」は、コメント文にあるように割高料金になるのかもしれません。

「亀募」とは、いったいどうやって募集すればよいのやら・・・

よほど急いでいたであろうに、「亀募!」

よりによって、逆に「歩みの遅い亀」とは!

「似て非なり」とは、まさにこのことを言うのでしょう。

 

通常、何万文字あるかわからないほど多数の文字で埋め尽くされている新聞。

それでも、広告を含め誤植がないのが当たり前。

逆に、素晴らしい編集能力だと思ってしまいます。

 

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ちょっとした編集ミス?

「手抜き」だとは思いたくありません。

 

それとも、ひょっとして1人でいくつもの「ペンネーム」を持っている人物なのかも・・・  

 

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チラシの誤植。

う~ん、オシイ!

 

これでは「オススメ」されても、500円の診断料でも却ってためらってしまいます。

アップグレードしたら、パソコンが逆にしょっちゅう故障しそうです。

 

街中で見かけた「間違い」

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クルマ用であれ歩行者用であれ、どのパターンもよく見る標識ですが、あいにく「実物」を目撃したことはありません。

 

まぁ、「珍しいから」こそ本になるわけで・・・ 

  

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堂々と幟を立ててしまっています。

しかも、2枚立て続けに!

さらに、その「間違え方」が微妙に異なっている!

後方には「伸ばし棒」が入っていません。

 

これはこれで、別の意味での「集客効果」が望めるかもしれません。

 

面白看板・標識

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「なるほど!」のひと言です。

ひょっとして、今日で閉店してしまうのかも?

思わず「急がなくちゃ!」と入店してしまう?

店主には、名コピーライターの素質があると思います。 

 

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地方道や山道に「動物注意!」の看板や、それ専門の黄色い道路標識があるのを見たことはありますが、さすがにこれは・・・

 

でも、確かに「注意」はしなければなりません。

 

 

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「ここはいったい、どこなんだ!」と思わず叫んでしまいそうです。

「便利で、住みたい街」にランクイン出来るかもしれません。

  

本当に掲載された(?)新聞投書

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どこの新聞なのかまではわかりませんし、そもそも内容が実話なのかも不明ですが、編集の段階で、よく「採用」になったものだ!と感心します。

  

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クレームを入れておきながら、「結局欲しいのかい?!」吉本新喜劇並みにツッコんでしまいたくなる投書です。

 

実家の本棚に置きっぱなしにしている何冊かを、また引っ張り出して眺めたくなってきました。